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第46回(顧客参加型イベントを開催する「SPPINS」)

「社長の繁盛トレンド通信」

◆SPINNS◆


「顧客参加型イベントを開催する」

 
   

本社ビルの1Fで経営する「highlanders by spinns」。京都の中心部・寺町通商店街の中にある。商店街の店のなかでひときわ目立つ存在だ

数ある名物イベントのなかで最初に始めたのが、「アフロの日」。アフロヘアーの人、入口に置かれたアフロのかつらをかぶって買い物した人、なぜかパンチパーマの人も割引サービスが受けられる

   
   
「お客様巻き込みイベント」と称する、店外での大規模イベントも多数開催している。写真は「全国一斉掃除大会」。各店のスタッフと客から募った参加者が、地元の街を掃除する。多い店では50~60人もの客が集まるそうだ。 客に親近感を持ってもらうために、同社では、スタッフのコーディネートを載せたフリーペーパーや、登場人物をスタッフにしたマンガを発行している。また、大半の店舗がスタッフのブログを設けている

 

京都に本社を構えるヒューマンフォーラムは、「SPINNS」「mhp」「device.」など、
若者向け衣料雑貨店を営む企業だ。
1997年の創業当初はワゴン1台の移動販売だったが、今では全国に22店舗を展開。
年商57億円をあげている。

同社が好調な理由の一つは、「ユニークな顧客参加型イベント」によって、上手に客を集めていることだ。

ヒューマンフォーラムの店は、
全店舗が、毎月、何らかの顧客参加型イベントをおこなっている。

内容は、出路社長曰く、"ちょっとアホ"なものばかり。
たとえば、毎月1回、土日におこなっている「アフロの日」。
全スタッフがアフロヘアーで仕事をしていて、アフロヘアーで来店した客や、
入口に置いてあるアフロのかつらをかぶって買い物をした客に対して、
全品20~30%の割引サービスをしている。

他にも、ジャージ上下やブルマを着用した客や、玉入れゲームで勝った客に割引をする「体育祭」。
店への気持ちを俳句にした客や店内の特設ステージで楽器を演奏した客に割引する
「文化祭」などもある。
店特製のポストカードに父母へのメッセージを書いてもらい、
店から発送する「母の日」「父の日」のような、割引なしのイベントもあるという。

これらのイベントを始めたのは5年前。
実は、同社は、倒産寸前の状態に陥っていた。
店の雰囲気も暗く沈んでいたそうだ。
しかし、事態が悪化したことで、出路社長は「どうせなら、楽しくやろう!」と開き直ったという。
そこで、客を楽しませることができ、自分たちも楽しい試みをたくさん始めた。
その一つが、これらのイベントだったわけだ。

ユニークなイベントを催すことで、ヒューマンフォーラムは、強力なファンを生み出すことに成功している。

イベントの日は、とりたてて欲しいものがなくても、
ちょっと足を運んでみたくなるものだ。
こうして来店頻度が高まれば、おのずと店に愛着が湧いてくる。
また、イベントに参加すれば、スタッフとの会話も増えるだろう。
スタッフと親しくなれば、客は「馴染みの店」という思いをますます強くするわけだ。

ちなみに、同社では、地元の野球・サッカーチームの試合を観戦する
ツアーや釣り大会といった、店外イベントも催している。
サッカーツアーは多い時で200 人の客が集まるという。
強力なファンがいるからこそ、このようなイベントが成り立つ。
また、このイベントが、ファンと店との関係をより強くしているわけ だ。

一方、スタッフのモチベーションも明らかに高まった。
客が楽しんでいる姿を見ていれば、スタッフも仕事が楽しくなってくるものだ。
仕事が楽しくなれば、おのずとスタッフ同士の会話も増えてくる。
こうしてスタッフの結束も強くなる、というわけだ。

「割引デー」「ポイント還元デー」のようなイベントは、すでに多くの店が実施していることだろう。
そうしたイベントをもう一歩工夫すれば、さまざまな効果が期待できる。
ヒューマンフォーラムの事例は、多くの店で応用できるのではないか。
(カデナクリエイト/杉山直隆)



◆社長の繁盛トレンドデータ◆

『SPINNS』

住所:京都市中京区新京極通蛸薬師下ル東側町531-2 ダイアモンドビル3F

TEL:075-213-2013

最寄り駅:阪急「河原町」駅より徒歩3分

URL:株式会社ヒューマンフォーラム:http://www.humanforum.co.jp/

SPINNS:http://www.spinns.com

※「SPINNS」はその他(名古屋、福岡などに)12店舗、「mhp」や「device.」なども運営。

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