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不動産

第15回 多くの来訪客を呼び込む戦略が大切。(顧客リストのストックが増える)

売れる住宅を創る 100の視点

現在の不動産市況に於いて、これから住宅産業はどうすれば完売し、生き残れるかのお話を今回も致します。
 
前回の第14回は「広告宣伝費を査定し、宣伝会社の発注は入札制にする事。」でした。
 
今回は分譲マンションや建売住宅の販売時に如何に多くの来訪客を呼び込む戦略が大切なのかを私の経験に基づいて具体的に御説明致します。
 
新規分譲マンションや新規建売住宅の販売時に如何に多くの来訪客を呼び込むかが成否の鍵です。まずは、前回申し上げた様に広告代理店の広告ツールが重要です。
 
中堅ディベロッパーが大手ディベロッパーと同じ戦略で集客していれば「ブランド」の知名度で勝てません。
 
中堅ディベロッパーはまず、「商品企画」に於いて今まで14回に亘って私が述べた事を是非実行して下さい。
 
特に大切なのは、このコラムの11号で申し上げました『 業界で注目される「話題物件」をつくる事。』です。すなわち、物件立地周辺の居住者のライフスタイルを調査し、そのライフスタイルの半歩上昇の生活提案をコンセプトに致しまして、それを具現化し新規の良質な住戸プランを作成する事なのです。
 
この事を実際に行いませんと、中堅ディベロッパー物件の「商品企画」内容が大手ディベロッパーの物件とほとんど同じになり、価格を大幅に下げないと大量の集客は困難になってしまいます。
 
そして先程申し上げた、物件立地周辺居住者のライフスタイルの半歩上昇の生活提案コンセプトを具現化した新規良質な住戸プランに注目される「キャッチフレーズ」を広告代理店に考えてもらいます。その「キャッチフレーズ」を新聞の「折込チラシ」や自社のホームページの一番上に目立つ様に載せ、新規良質な住戸プランを紙面の2/3位の大きさで配置し、分り易い説明文を付けるのです。
 
ちなみに、過去私が設計し、生活提案型住戸プランのマンションで即日完売になった物件の「キャッチフレーズ」をご披露致します。まずは「プランが全てを物語る。」と「これは発明です。」等でした。不動産業界では有名な「コピーライター」が作った「キャッチフレーズ」です。自画自賛になってしまい申し訳ございませんが、これらの事に依って私は不動産業界で「指名」がかかる建築家(設計者)になれたのです。
 
ちょっと前までよく有りましたケースで建築業界で名の知れた「デザイナー」(建築家)にマンションの設計を依頼し、「デザイナーズマンション」として話題性を取り完売を狙っていたディベロッパーがありましたが、ほとんどが高い設計料を払っただけで成功していません。
 
その理由は2つ有ります。1つ目は建築業界では有名な「デザイナー」(建築家)でも、一般の方々はその建築家をほとんど知りませんし格付けに寄与しないのです。2つ目は「デザイナー」と言われる建築家の設計したマンションは「作品にしてから商品にしている。」ので、建物のデザイン優先で本命の住戸プランの設計が建物形態重視の為にアチコチに歪みが生じてしまうのです。更に申し上げれば著名な建築家はマンションの設計経験がほとんど有りませんので、住戸プラン作成等は苦手なのです。
 
本来、マンションや戸建住宅の設計者は「まず商品にしてから作品にする。」事が大切なのです。この違いは大きいのです。
 
だいぶ回り道をしてしまいましたが、時流に合った顧客の憧れる外観や、住みたいと思う住戸プランを実現させ、そのプランと「キャッチフレーズ」を大きく掲げ、人目を引く新聞「折込チラシ」を配布する事が集客に大きく寄与するのです。
 
同業他社の新聞「折込チラシ」との差別化ができるからです。分譲マンションや建売住宅の顧客は地元の方が8割と言われていますので、新聞「折込チラシ」を軽視してはいけません。
 
大規模物件で広告宣伝費に余裕があれば沿線の電車に吊り広告を出すのも効果があります。但し、新聞に直接1面に載せるのは高額な割りに効果は薄いのです。新聞広告は広域から顧客を呼び込むのには適していますが、先程も申し上げた様に分譲マンションや建売住宅の顧客はほとんどが地元の方々なので、広域からはほとんど来てくれません。
 
以上を参考に実践してみて下さい。必ず良い結果が出ます。
 
来年は不動産業界は「財閥系」の一部のディベロッパーが勝ち組で、他の多くのディベロッパーが負け組になるとある不動産研究家が予想していますので、今回私が申し上げた事を是非実行し、勝ち組のディベロッパーになって下さい。宜しければ私もお手伝いを致しますのでお声をかけて戴ければ幸いです。
 
皆様、良いお年をお迎え下さい。                   
 
                                                    以上
  
碓井民朗

第14回 広告宣伝費を査定し、宣伝会社の発注は入札制にする事前のページ

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