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第101回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方22 伝えるということ

デキル社員に育てる! 社員教育の決め手

「仕事のすすめ方
◆仕事を円滑にすすめる「コミュニケーションのスキル」◆

 

 前回、「仕事の確認時のポイント」についてお話しました。今回は「伝えるということ」についてお話します。それにしても「伝える」ということは難しいですね。「伝えたよ」、「いや、聞いてない」のようなやり取りの経験はありませんか?
 いくつかポイントがありますが、その前に絶対的に大事なことは、当たり前ですが当たり前なので意識できないのは、「伝える相手がいること」です。つまり相手に伝わったか、理解されたかです。自分が伝えたと満足したとしても、相手の理解がなされなければ伝えたにはなりません。それには伝える相手に興味を持つことです。特別な『あなた』に伝えることをしっかり意識します。たとえ『あなた』と残念ながらあまりよい人間関係を持てていなくても、皆様は仕事のプロですから、伝えるときは、特別な『あなた』に伝えようとしてください。
 では、伝えるスキルを5つあげます。対面の人の場合です。

1.特別な『あなた』がわかる言葉をチョイスして話す。相手が男性か女性か。年齢は?同じ内容でも選ぶ言葉が変わることがわかりますね。
 
2.「伝える内容」を整理してから話す。この時、ワンセンテンスは接続詞を使って長くしないこと。また、伝える事はワンセンテンスに一つとします。内容の理解に有効です。

3.話す内容に気をとられると声量が小さくなってしますので、口の開閉をしっかりする。この数年の研修でも感じることですが、若い方々が全体的におとなしい話し方になってきています。同じ内容を伝えるにも小さな声で言うのと、しっかりした声で言うのでは、内容の信憑性が変わります。(しっかりした声で言うと相手のなるほどと思う確率が高くなります。)また、口の開閉をしっかりして話すと、声量が小さくても少し聞き取り易さがアップします。同じ声量で話しても口の周りにある口輪筋を動かして話すのと、あまり動かさずに話すのでは違いが出てくるのです。是非、確かめてください。    

4.「3」で信憑性という言葉を使いましたが、強い「伝える思い」があるかどうかで説得力もかわります。相手が話し手の説得力を感じると、その通りだなと思う気持ちが生まれやすくなります。

5.『私は昨日、買い物をするために銀座に行った』のセンテンスで、どこを強めて表現するかで「伝える」ことが変わってしまうことを理解しましょう。➀「私」、②「昨日」、③「買い物」、④「銀座」の単語で説明しましょう。
➀「私」を強めて言うと、「誰」が行ったかを伝えたいとわかる。
②「昨日」を強めて言うと、「昨日」ですねと「いつ」が伝えたいと分かる。
③「買い物」を強めていうと、「何をしに」行ったかがわかる。
④「銀座」を強めていうと、「何処」に行ったかを伝えたいとわかる。

 ワンセンテンスの中でも、その表現の仕方で伝えたいところが変わります。無意識にワンセンテンスの中の単語に強弱をつけてしまうと相手の理解を妨げる事にもつながります。伝える意味もかわってきてしまいます。ワンセンテンスの中で、語尾を一番強く表現する癖のある人もいますが、このタイプの人も意味をわかりにくくするので気を付けてください。

 「伝えるということ」は難しいですねと最初にかきましたが、スキルで解決することが可能です。伝えることに少し自信のない方は、どうぞもう一度読み返してください。
 個人的ですが、「伝えられた」と思えるときは相手が「わかった」という表情にかわります。その表情を見ると嬉しい気持ちになるので、「伝えるということ」は楽しいことでもあります。
 
 
 
■松尾友子氏
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