田中角栄のことを人は“コンピュータ付きブルドーザー”
数字に強く卓越した記憶力を持つ。
そして、そんな田中を支えていたのは、
筆者はロッキード事件で有罪判決を受けた田中が脳梗塞で倒れるま
田中は講演の名手である。
聴衆が千人、二千人いようと、
選挙区の新潟三区内で地すべり災害が起きると、
そんなことは政治家なら誰でもする。田中のすごいところは、
ポスト佐藤栄作の権力闘争を繰り広げる“三角大福中”(三木、田中、大平、福田、中曽根)の中で、
田中の負の評価は、その金権体質だろう。官僚操縦術に関しても、
しかし、本質はそこにはない。
「役人は生きたコンピュータだ。政治家は方針を示すものだ。
役人を社員、政治家を経営者と置き換えれば、
そして、田中は官僚をどこまでも信頼して使う。
日米繊維交渉の話に戻る。
「きみらの振り付けどおり、おれは動く」 (この項、次回に続く)
(書き手)宇惠一郎 ueichi@nifty.com
※ 参考文献
『早坂茂三の「田中角栄」回想録』早坂茂三著 小学館
『田中角栄 頂点をきわめた男の物語―オヤジとわたし』早坂茂三著 PHP文庫
『田中角栄の資源戦争』山岡淳一郎著 草思社文庫
『日米貿易摩擦―対立と協調の構図』金川徹著 啓文社