最近よく目にする「IoT」とは? 今回は、「IoT」の基本を紹介しつつ、ビジネスチャンスの広がりを考えます。
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- 第56回 「IoT」で広がるビジネスチャンス
■「IoT」とは?
「IoT」は、Internet of Thingsの頭字語。日本では一般的に「モノのインターネット」と訳されるケースが多いようです。イメージとしては、あらゆるモノがインターネットに繋がることにより、生活の質を飛躍的に高められる可能性が出てきた・・・という捉え方で良いでしょう。
新しい「IoT」時代がやって来ると、ビジネスの枠組みも大きく変わるはずで、エレクトロニクス産業はもちろん、業種を問わず「IoT」に熱い視線が注がれています。
例えばコーヒーメーカー。現在は機器の販売で利益を得るのが基本ですが、IoT化すれば、コーヒー豆を継続して販売する端末にもなり得ます。利用状況からコーヒー豆を自動発注したり、ユーザーの好みを探って関連サービスの紹介など、いろいろな提案もできるでしょう。
これはほんの一例ですが、供給者側には新しいビジネスチャンスを、利用者側には新たな利便性をもたらす可能性が出てきたのです。
【写 真】「CEATEC2015」にて、株式会社アプリックスのIoT展示例。コーヒーメーカーから「コーヒーが入りました」と スマホに通知が送られるほか、利用者の嗜好や状況に応じてコーヒー占い、コミック、グルメ、天気、旅行など、生活に役立つ情報の発信も視野に入れている。
「IoTで何が出来るか?」、はアイデア次第。無限の可能性を秘めているのです。
■IoTとメイカーズ
IoTを考える上で、「メイカーズ」(Maker’s)というムーブメントにもご注目を。
そもそもメイカーズとは、個人や小規模な事業者によるモノ作りのムーブメント。従来の製造業は、大規模な設備や投資を前提としていましたが、デジタル化が進んだ今、誰もが低コストで「モノ作り」できるようになりました。一部の大手企業に限らず、多くの人々が気軽にモノ作りに参加できる環境が整ったことで、奇想天外なアイデアが製品として具現化するチャンスが増えているのです。
「IoT」が秘める無限の可能性は、身軽で柔軟なメイカーズの刺激によって開花するに違いありません。
現在では、メイカーズを支援するビジネスも登場しています。既に資金調達の一手段であるクラウドファンディングや、3Dプリンターなどの工作機械が利用できるコワーキングスペース運営などは増加傾向にあり、今後も様々なサービスが登場しそうです。
■IoT化を手助けするビジネスも
大手家電メーカーの製品は既にIoT化が進んでいます。例えばパナソニックは「スマート家電」、シャープは「ともだち家電」というネーミングを用い、エアコン、冷蔵庫、掃除機、照明などを遠隔操作したり、連携させることができます。
一方で、異なるメーカーの製品が混在すると使い辛かったり、連携が充分に出来ないなどの課題もあります。
そうした現状を見据え、統合的に操作できるシステムを開発し、各家庭に訪問して設定を行うサービスも登場しています。例えば、ケーブルテレビ大手「イッツコム」は、スマートフォンやタブレットを使って、家の中を自由にコントロールできるスマートホームサービス「インテリジェントホーム」サービスを展開。当面の「IoT」化を手助けするビジネスとして有望と言えそうです。
■さいごに
IoTと聞くと、IT企業や大手エレクトロニクスメーカーを想像しがちですが、まだ創生期と言え、目の付け所やアイデア次第で、中小企業や個人もいろいろな関わり方ができそうです。
IoTはまだ始まったばかり。すべてのモノのIoT化を考えると、商機が生まれるかもしれません。