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戦略・戦術

第88話 「即時償却」

強い会社を築く ビジネス・クリニック

アベノミクスの財務政策で、設備投資の「即時償却」という、生まれて初めての言葉を聞くこととなりました。
 
前々から、私は、減価償却費というものが、国税庁で決められ、きりん、サイ、サル、鳥まで減価償却年表、いや、桃、クリ、柿、シイの植樹まで決められている、変った国、日本と、批判してきました。
 
シンガポールなど「お好み償却」で、企業の都合で好きにすればよいと言う国すらあります。
 
(1)法人企業から いかにして多くの税金を取ろうかとする国
(2)法人企業をいかに多く、豊かに稼がせて、国民を雇用するとする国
 
この2つの方針では、とる施策が違います。
 
(1)収益高 × 50%法人税率 = 納税額
(2)収益高 × (1)の半分25%の法人税率 = 納税額
 
(2)の場合、国の税収は、(1)の1/2になるのでしょうか?
 
今や、グローバル社会、(2)の場合、海外からの進出企業数が増えます
(1)の場合は、法人税率が高いので、収益を粉飾して利益を出さないようにする企業が増えます。
法人減税は、税の増収、企業の活性化につながると思うのですが・・・
 
即時償却は、本年秋から実行されるでしょう・・・
即時償却、割増償却(初年度で45%特別償却)ではなく、その期に全額減価償却をする。
ほぼ、100%償却してしまう、損金への導入が認められる制度なのです。
 
「経費と認めても、損金とは認めません!」などと税務署の見解の相違などと言って、言い争う事はなくなりますね。
しかし、スタートしてみるまで実際は、どうなるのか? 未だ、不透明です。
 
ただし、収益の悪い会社は、営業利益が赤字になってしまいますね・・・
 
 
新規投資をした企業の法人税を優遇することによって、活気を取り戻させるアベノミクス施策は、良い政策だと思いませんか?
 
即時償却と同じく、もう1つの減税策が「設備廃棄」による損金(特別損失)を前年度に納めた法人税から還付してもらう制度を導入するようです。
今まででしたら、当期の利益から減じてもらえる制度でしたが、還付してもらえるのですから、これはでかいですね。
 
古い設備(店舗、工場、施設)を壊せば、取り壊し費用、残存簿価の合計を前年に納めた法人税から戻ってきます (キャッシュフローの改善)。
そして、設置した新設備は、即時償却してくれます。
経産省と財務省が検討しているので間違いなくこの法案は、通ると思われます。
 
 
いつ通る??
今でしょう――!!
 
政府は8月中に、両省は固めて自民党税調も早期にまとめると言って、来年早々の通常国会でと通すとのこと、ただ、本年、秋までに遡って適用されるかどうか、財務省は抵抗するでしょう。
 
何はともあれ、税制的には、国民の集団である企業の集まりの会社、売ったり買ったりの商売の繁栄が、国を富ますのであります。
戦国信長の時代から、商人から税をとっていては、通商は活発にはならないのです。
まずはじめとして、会社を富ませて、国民を富ませて、その国民が消費を活発にして、そして、そこから税を取ってください!!

 

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