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仕事術

第57回  IoT時代に加熱する「子供のプログラミング学習」

デジタルAVを味方に!新・仕事術

前回コラム「第56回  「IoT」で広がるビジネスチャンス」では、あらゆるモノがインターネットにつながる時代の到来と、個人や小規模事業者がスピーディーにアイデアを具現化するモノづくりのムーブメント「メーカーズ」について触れました。潮目の変化を敏感に捉えてユニークなアイデアを次々に生み出す個人の集合体は、大手エレクトロニクスメーカーと張り合う存在になるかもしれません。産業革命として注視する向きもあるほどです。

こうした時代に個人に必要とされるスキルが、“創造性”+“開発能力”と考えられています。
例えば大手家電メーカーの場合、製品が形になるまで、商品企画、デザイン、設計などの工程を分業し、マイナーチェンジの新製品で半年から1年程度、完全な新規製品では数年の期間を要します。アイデアやスピードだけでなく、安全性も含めて完成度の高い製品を送り出すために行き着いた体制と言えるでしょう。しかしながら、猛スピードで激変するIoT時代を迎え、さらにメーカーズの刺激を受け、変革の兆しも見えてきました。
今後本格化するIoT時代においては、優れたアイデアを持つクリエイター(個人)が、企画とデザインから実際に動く試作品の制作までを一手に担い、短期間で作り上げることが競争の源泉となりそうです。
では、このようなモノ作りまでできる「クリエイター」を育成するには、どうしたら良いのでしょうか?その答えの1つとして注目されているのが、「子供のプログラミング学習」です。
 
■アイデアは無尽蔵。カタチにできる力を養う
アイデアを持つ人は沢山います。自分が“ひらめいた”と思う画期的なアイデアも、世界では同時に数名が思い付いていると言われています。ビジネスとして成功を収めるには、アイデアを「カタチ」にできるか否かが分かれ道、つまり、開発能力が鍵と言えます。
特にIoT分野の開発においては、優れた「アルゴリズム」(論理的思考。ある目標を達成するための手順)をプログラムとして整理できる能力が重要と考えています。例えば「自動運転カー」は、通信、搭載カメラやセンサーから情報を受け取る機能性が必須ですが、より安全で正確に自律走行するには、受け取った情報の判定や判断の優劣が結果を大きく左右することをご想像頂けるでしょう。
アルゴリズムはプログラミングの基本要素で、プログラミングを経験すれば、「アルゴリズム」(論理的思考)を生み出す能力も自然に身につきます。
 
 
 
■「子供のプログラミング学習」あれこれ
学習となると堅苦しくなりがちです。できれば楽しくプログラミングを身に付けたいものです。近年では、様々な取り組みや製品が登場していますので、一例をご紹介しましょう。
 
*JEITA アルゴリズム体験ゲーム「アルゴロジック」
http://home.jeita.or.jp/is/highschool/algo/index.html
パソコン上でアルゴリズム作成を体験できます。
 
*レゴ マインドストーム
http://www.lego.com/ja-jp/mindstorms/learn-to-program
組み立てブロックで有名なレゴ社の製品です。ロボットを動かすことを通じて、アルゴリズム作成の感覚を養うことができます。
遊びの要素を含み、小学生低学年から楽しめるでしょう。
 
*ソニー MESH
http://meshprj.com/jp/
 
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【写真】MESHとiPhone
ボタン、LED、各種センサー(湿度/温度, 光、人感、動き)をブロック状に仕立て、全てが無線接続機能&バッテリーを内蔵し、手軽に扱えるのが特長です。
プログラム(アルゴリズム作成)はスマホ/タブレット上でフローチャート状に作成するだけと簡単です。ある条件を満たしたらメールを送るといった通信機能を扱うこともできます。思いついた瞬間にカタチにできる洗練されたシステムで、子供から大人までIoT時代のモノ作りを楽しむことができるでしょう。
 
 
*Ichigojam (イチゴジャム)
筆者が今、最も注目しているのが、株式会社jig.jpの「こどもパソコン」を名乗る名刺サイズのコンピューター「Ichigojam」です。2,000円(完成品)とお手軽価格で、プログラム言語「BASIC」が走ります。モニター上で動くゲームを作ったり、さらにLEDやブザー、スイッチ、ほか、外部のモーターを動かすなど、ハードウェアの制御も含めたモノ作りも体感できます。
小学生高学年からプログラムの本質を学習するには、非常に優れたコンセプトと言えます。
筆者も趣味として「Ichigojam」を利用したモノ作りを楽しんでいます。
 
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【写真】Ichigojam本体
 
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【写真】BASICプログラム例
 
「IoTで
 
 
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【写真】Ichigojam応用例(壁にぶつかったら方向転換する車)
プログラムが身につけば、自身の思い通りに動かすことができます。例えば壁にぶつかったらバックして方向転換する、また、走らせる環境に応じてバックする距離や回転する角度を調整したり、ブザーを鳴らす、LEDを点滅させるなど、自由自在なのが既製品。アイデアが湧いたら試行錯誤が可能で、繰り返すうちに自然とアルゴリズム的発想やプログラミング能力が身につきます。
 
 
■さいごに
2016年4月19日、文部科学省は、小学校でのプログラミング教育必修化を2020年の新学習指導要綱に盛り込む方向で検討すると発表しました。必修化により、進学塾ならぬ「子供のプログラミング学習」塾が急増するかもしれません。
子供の頃から「プログラミング」を経験し、感覚的に論理的思考を身に付けることは、IoT時代のモノ作り、引いてはビジネスを進める大きな力となるでしょう。
反面、義務教育としてプログラミング能力をスキルとして身に付ける事が求められると、つまらなくなってしまうのが心配です。特に小学校教育では、自由な発想で創る楽しみを第一に、その手段としてプログラムが必要であることを理解し、自然に身に付けられるよう願います。
そうした「創る楽しみ」と「創る能力」の両方を備えたクリエイターの育成こそが、革新的な製品をタイムリーに生み出し、真の成長につながることでしょう。
一歩先を行くなら、ここでご紹介した情報や製品を元に、親子で趣味としてプログラミンを始めてみてはいかがでしょうか?
 

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