佃煮で有名な佃島。数多くの老舗があり、赴きがある。例えば、落語で登場する佃の渡しがあった場所の前にある創業170年の老舗天安(てんやす)にはなんとも言えない雰囲気がある。
アメリカでの最近のビジネス・キーワードにハイパーローカルという言葉がある。市場が成熟して、小商圏化がすすみ生まれた考え方だ。
ハイパーローカルへの対処法として、スタッフのサービスと楽しみかたの多様性への対応叫ばれている。
楽しみ方の多様性への対応とは日常使いと非日常でも使える店を意味する。一見矛盾するようなことだが、馴染みのスタッフのサービスを含めてこのような成り立ち必要性が高まっている。そして、このような関係作りが成功すると、遠方からお客様を引き込むことができる。
遠方からお客様を呼び込んでいる「肉のたかさご」はこの対応ができていると言っていいだろう。
この場合、もっとも注目すべきは、即時消費性の部分である。即時消費性の代表は喉が渇いたときにある目の前にある販売機だが、暑い日に目の前にある販売機は、小売希望価格であるにも関わらず売れる。
即時消費性を生かしてものを売るときに大切なことは瞬間を作ることだ。
「今、佃島にいるという瞬間」「今たかさごの前にいる瞬間」だ!
商品設計は、たかさごの藤田社長が戦略的に考えている。藤田社長の、「肉の製造工程に秘密があり、その行程は今まで誰にも見せたことがない」という言葉が物語る。
そして、中華風の三枚肉の焼き豚が裏メニューとして機能している。