menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

人間学・古典

第3講 「言志四録その3」
子を教うるの道は、己を守るに在り。

先人の名句名言の教え 東洋思想に学ぶ経営学

【意味】
我が子を教えるには、親の自分が人の道を守って見本となることである。



【解説】
私共の静岡の学校からは、日本一の富士山が望めます。
昔から人々はその美しさと威厳に特別の感情を抱き、崇拝すらしてきました。
しかし山の西面の大沢崩れの麓に立ってみますと、
この沢崩れでどれだけの人が難儀をしただろうかという想いが浮かびます。

親父の存在も富士山と似ています。
どこの親父でも妻子が予想する以上に世間の人々からは高く評価され、信頼もされています。
しかしながら家族では、身近に生活し裏も表も知り尽くし、
時には説教までされますからなかなか「尊敬」というわけにはいきません。


職場での厳しい上司は親父と同じで、部下から冷たい目で見られます。
しかし厳しい上司がいて鍛えられるから部下も一人前になるのです。
彼らの存在がなければ、職場の規律は乱れ、会社内部だけでなく対外的にも厄介な問題を抱え込むことになります。
部下として感謝すべき上司は、優しい上司より厳しい上司であり、
その厳しさこそトップが各責任者に求めるべき要素のひとつなのです。

一方上司自身にとっては、「諌めを厭うは上司の大罪」といわれるように、部下の教育は非常に重要な問題です。
最近は社員教育だけでなく家庭教育や学校教育にも問題が多いとされていますが、
上司・親・先生それぞれが「諌め」をできるかどうかは、将来の職場・家庭・地域社会に大きな影響を及ぼします。


それぞれ子供や部下を品性ある人物に育てることは、個人や一企業のための
もの(私事)ではなく、社会全体の為(公事)であるという使命感を持つことです。
そして、その使命感を意識し「諌め」を実践するには、己自身の日常生活に裏づけされた自信が必要です。
特に見えない部分で己を守れているかという「慎独実践」がポイントとなります。    

 

杉山巌海

第2講 「言志四録その2」年間の人事万端 算え来たれば十中の七は無用なり前のページ

第4講 「言志四録その4」余は少壮の時、気鋭なり。 晩年に至り、意のごとくなる能わず。次のページ

関連セミナー・商品

  1. 社長の大義と実践経営

    音声・映像

    社長の大義と実践経営

  2. リーダーの心得 社長の経営洞察力篇

    音声・映像

    リーダーの心得 社長の経営洞察力篇

  3. リーダーの心得 好・不況時の社長心得篇

    音声・映像

    リーダーの心得 好・不況時の社長心得篇

関連記事

  1. 第131講 「論語その31」
    君子は 争う所無し

  2. 第51講 「帝王学その1」
    民、路に落ちたるを拾わず、外戸を閉じず。

  3. 第31講 「言志四録その31」
    性分の本然を尽くし、職分の当然を務む。

最新の経営コラム

  1. 第35講 カスタマーハランスメント対策の実務策㉒

  2. 第180回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方103『研修効果を持続させる仕組み』

  3. 第46話 本格的な変化の時代 将来に備えた基礎固めを(3)

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 人間学・古典

    第八話「徳は業の基なり」
  2. 製造業

    第287号 工場内の「扉」は、防犯、防音、安全、衛生、省エネ、保温、法律上...
  3. 教養

    第131回『教養としての「ラテン語の授業」』(著:ハン・ドンイル)
  4. マネジメント

    万物流転する世を生き抜く(3) ハンニバル、アルプスを越える
  5. 社員教育・営業

    第3話 部下が仕事ができない「たった2つ」の理由
keyboard_arrow_up