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- 第61回 スマートウォッチ
新型コロナウィルス感染症拡大は、人々の健康、社会生活、経済には大きな打撃となったが、遠隔医療、ネット販売、在宅勤務、リモート会議、ロボット、ドローン、レストランの宅配食(UberEatsなど)、遠隔フィットネス(ネットヨガなど)、ウェアラブル(スマートウォッチなど)などの普及を後押しした。
ウェアラブル市場は、2020年第2四半期の出荷台数が8,620万台と前年同期の7,550万台から14.1%増えており、中でも健康管理やフィットネスに活用できるスマートウォッチ(出荷台数が20%増)の需要が増えている。
スマートウォッチでは、2020年第1四半期シェアが55.5%(Strategy Analytics調べ)のアップルが先日発売した最新機種(Apple Watchシリーズ6)には、血中酸素濃度センサーが加わり、従来の心拍数モニターや心電図センサー(日本でも認可され近いうちに利用できる見通し)と共に、いつでも簡単に健康データ計測ができる環境がまた一歩進んだ。
■血圧測定スマートウォッチ・BP Doctor
通常の血圧計はカフと呼ばれるバンドを巻いて空気で加圧してから徐々に圧迫を緩め、この間のカフ圧の変化を通して血圧を測定するが、これと同じように、バンド部分に空気で膨らむカフを内蔵した本格的な手首型血圧測定ができるスマートウォッチも登場した。
このスマートウォッチ「BP Doctor」はクラウドファンディングの「Indigogo」で、1,880人から56,882,690円の資金を調達したYHE Intelligent Technology社製のもので、従来の血圧測定ができるスマートウォッチが電気信号による心拍数の測定と光学センサーによる血流測定を組み合わせて算出する方式だったのに対して、時計のバンドで加圧して計る最初の製品として注目されている。
入手してから毎日のように従来の家庭用血圧計と「BP Doctor」で計測してみているが、上腕部と手首という計測場所の違いもあり、スマートウォッチの方が少し高い数値が出る場合が多いものの、それほど大きな差はなく、旅行中や移動中に気軽に計測できて便利だ。
また、「BP Doctor」には歩数や走行距離、燃焼カロリー量の計測などの機能もあり、フィットネストラッカーとしても使え、心拍に基づく運動強度の測定もできるし、眠りに落ちた時間や起床時間、レム睡眠を記録もできるため、睡眠トラッカーとしても使える。
世界中の人がコロナウイルス感染をきかけに自分の健康を改めて考え、ロックダウンなどの自宅待機中に運動不足を感じている状況から、健康やフィットネスに役立つスマートウォッチの普及は今後も加速しそうだ。
======== DATA =========
●BP Doctor
クラウドファンディング出資額:289ドル(約3万1,000円)〜
メーカー:YHE Intelligent Technology
クラウドファンディング:Indigog