迎えに出た張学良に対して宋美齢は提案した。「
張学良もなめられたものである。辛亥革命で孫文を支持して以来、
しかし、張学良は毅然と言い放った。「金も地位もいらない。
続いて夫に会った宋美齢に蒋介石は、張学良側から出されていた、
ただし、「交渉の席に私はつかん。お前たち兄妹がやれ。
言質を取られず釈放後の政治的自由を確保する。
宋子文兄妹と会い、口約束の合意を持ち帰った張学良に、
一方、
「蒋介石が政策変更を約束した公式声明を出すまで拘留を続けよ。
(書き手)宇惠一郎 ueichi@nifty.com
※ 参考文献
『西安事変前後―「塞上行」1936年中国』范長江著 松枝茂夫、岸田五郎訳 筑摩書房
『蒋介石』保阪正康著 文春新書
『張学良はなぜ西安事変に走ったか―
『周恩来秘録(上下)党機密文書は語る』高文謙著 上村幸治訳 文春文庫
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- 交渉力を備えよ(21) 口約束では味方も説得できない
蒋介石の妻、宋美齢は兄の宋子文とともに夫が拘束されている西安に飛行機で向かった。西安事件発生から11日めのことである。
残された時間は10日を切っている。周恩来は、大詰めの交渉の落とし所に思案をめぐらせていた。 (この項、次回に続く)