-環境整備を進めることで、業績など経済的な効果もあるのでしょうか?

環境整備備に取り組むと次の5つの効果があらわれます。
1つ目は経済的効果です。環境整備に取り組むことで社内のムダが徹底的にとれ、生産性が大幅に向上します。
加えて、人件費も減ります。もちろん、社員の給料が減るという話ではありません。
ムダが削減されることで、少ない人数で効率的に仕事を進められるようになり、会社として総人件費を減らせるということです。
たとえば、西日本の地方銀行、S銀行では行員の残業時間が深刻化していました。
そんな中、当時の頭取から「行内のムダを省いて、働き方の効率を上げたい」との依頼をいただき、環境整備の指導を開始しました。
S銀行で問題になっていたのは膨大な書類でした。当時はあらゆる業務に書類とハンコが必要で、その処理に多くの時間が費やされていました。
S銀行では、まずはムダな書類をどんどん捨て、続いて印鑑を朱肉に押すタイプのものからスタンプタイプのものに切り替えました。数秒の改善かもしれませんが、行員が日常的に大量の書類に押印することを考えると大幅な時間節約につながります。また、社内の稟議書は電子化し、いちいち書類を回す手間も省きました。
書類の電子化を進めたことで、事務作業の多くは本店で一括処理できるようになり、支店の行員の負担軽減にもつながりました。
こうした活動が実り、S銀行では残業時間が劇的に短縮され、指導開始から4年目には19時には誰も社内に残っていない状態にまで改善されました。
S銀行の事例からもお分かりになると思いますが、環境整備に取り組むことで得られる効果の2つ目は時間的効果です。
環境整備そのものには毎日15~30分くらいの時間を要します。
そんな時間はないと考える方もいるかもしれませんが、実際には、かけた時間を大幅に上回る時間短縮効果があらわれます。
ある調査によると人が社内で必要な備品を探す時間は年間150時間に及ぶそうです。環境整備でどこに何があるか一目でわかる状態をつくり出せれば、その大半を短縮できます。
また、ムダな作業にかけていた時間が減ることで、残業時間の削減にもつながります。
3つ目は精神的効果です。環境整備を続けていくと社員がキレイな環境になったことで「気持ちがいい」、「すがすがしい」と前向きになっていきます。その結果、自ら働く環境を良くしようとする社員がドンドン増えていきます。
4つ目は対人的効果です。環境整備を通して、社内でのコミュニケーションが活性化され、チームワークが向上し、明るい社風になります。
また、会社がキレイになることで、評判も高まり採用でも人が集まるようになります。お店であればお客様の来店頻度も高まります。
環境整備に取り組むことで、キレイな会社そのものが優秀な営業、広報の役割を果たしてくれるようになるのです。
5つ目は肉体的効果です。作業現場の危険が除去され、安全性が高まり、労災事故が激減します。
また、私の教える環境整備では社内の空気環境を整えるやり方も指導するので、社員の集中力やメンタルヘルスの向上にもつながります。
























