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社員教育・営業

第34講 カスタマーハランスメント対策の実務策㉑

クレーム対応の新知識と新常識

それは、カスタマーハラスメントではありません!
①女性の担当者に対して「男性に代われ!」

 女性担当者が、かかって来た電話に名乗りをして出た次の瞬間に「男性に代わってください」や「男性の担当者と話しがしたい」や「男を出せ」などと相手に言われることがあります。この瞬間のこの言葉を『カスタマーハランスメント』だと判別をしてはいけません。

 私は「担当者が女性だとわかったら、即、男性に代われと《差別》をするお客様がいる。このカスハラにどう対応したらいいか」と相談を受けることが多いのですが、これは、差別ではありません。なのでカスハラではありません。「男性に代わってほしい」と言うお客様によっては、『女性』と話をするのが苦手な方がいるのを知っていますか?また、機械製品や、建築土木関係製品や、通信サービスなどについては、まだまだ、男性担当者の方に豊かな知識があるという概念を持っている方が多いのが実態です。そういう歴史がある業界ですから、そういう古い概念の方がいても仕方がありません。また、担当者の名乗りの印象で、「この担当者じゃ、無理だな」と感じたから、合理的に話ができる人に代わってほしいと思ったのかもしれません。それは、担当者に原因があります。「男性に代わってほしい」と言う希望の相手の本音として最悪なのは、不純な理由から「男性に代わってほしい」と言っている場合です。

 しかし、男性に代わることが最適な場合もあります。例えば、男性専用の製品への苦情や相談を目的にしているお客様の場合は、「男性に代わってください」と言われることが多いと思います。そのお客様の希望は、妥当性のある希望だと言えます。男性の身体に関連する製品やサービスの対応をするセンターでは、むしろ男性担当者がまず対応することが常識的です。

 しかし、どうしても男性担当者に代わることができないセンターやお客様相談室もあることでしょう。

 いずれにしても「男性に代わってほしい」と希望されたから、即刻、男性に代わる対応することは、好ましいことはでありません。

 「男性に代わってほしい」といきなり言われたら、まず、その希望の本音を見出すことが必要です。つまり、いつも言っているように『質問をすること』です。「とおっしゃいますと、どのようなことでございますか?」や「その前に、ご用件をお伺いいたします。どのようなご用件でしょうか?」と質問をしてください。

 「あなたには言いたくない!さっさと代わってください!」と言われたら、「用件をお伺いしてから、しかるべき対応をいたします。まず、ご用件をおきかせいただけますでしょうか」と言ってください。それでも「さっさと代われ!」と言われたら、「ご用件がわからないままでは、対応に至りませんので、ご用件をお聞かせください」と言うこと。それでもだめなら「それでは、お気持に変化がありましたらあらためてお電話をいただけますでしょうか。」と言って、この電話では、対応は進展させないことを伝えてください。

 

 まとめますと、いきなり「男性に代わってください」は、カスタマーハラスメントではありません。お客様には、男性担当者にしか言いたくないことがあるのかもしれません。でも、そんな個々の心情は気にしなくて良いです。男性担当者と話をしたい相手の目的を見出すためにも、『質問』をすることです。決して「そのような、差別的な言動には対応いたしません!」などと、言わないでください。

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