私がクレーム対応にスランプを感じていた頃に、相談した先輩たち全員に言われた言葉
『クレーム対応は最初に結果は決まる。それはあなたの最初の話の聞き方と話し方です。』
言いかえれば、これは『最初に相手のハートをつかむこと、そして主導権をつかむこと』を言っています。
けれど、どんな人物がわからない、なにを不満に思っているのかわからない、
どうしてほしがっているのかわからない相手のハートなんてどうやってつかんだらいいのか。
まして、怒鳴っている人、話が支離滅裂な人、怒っているのか怒っていないのか
つかみどころのない人からどうやって主導権をとったらいいのか。
具体的な方法がわからない限りは立ち回れない私の焦りは、イッキには解決しませんでしたが、
いろんな勉強の機会や体験の中で粛々とまなぶことができ、その結果具体的な方法が知らず知らずのうちに
私の身にまとわりつくようになり、少しずつ相手と分かり合える成功事例を積み上げていくことができるようになりました。
今回からはその手法をお話しします。
『手法?』と思うかもしれませんが、私は『相手の身になって』対応できる担当者になるためには、
まず、そんな担当者に見える形から入ることが重要だと思っています。
なぜなら、クレーム対応をしている担当者は、『相手の身になって』考える余裕なんてないからです。
クレーム対応をこれまでにしたことのない人にだって想像できるように、クレーム対応をしているときの緊張感は、
口から胃が出るほどだといっても過言ではありません。
つかみどころのない、言いようのないものにまとわりつかれている状況の中で冷静になれと
言われても無理ですし、まして、つかみどころのないもの、言いようのないものの思いを
くみとってやろうなどと真摯な思いになれる状況では決してないのです。
それでも担当者は、『相手の身になって』『誠意』をもって『親切で丁寧』な対応をしなければならないのですから、
ひとまずは後述します私がまだクレーム対応の担当者として新米だった頃から必ずやっている『手法』を
ご紹介したいと思います。
中村友妃子