最初にご報告があります。
10月6日(日)より、TBSラジオ「プレシャスサンデー」に
レギュラー出演中です。
「読書風景」というコーナーにて、
毎週おすすめ本を紹介しています。
放送が朝5時40分過ぎあたりからですので
早起きされていたり、ゴルフやお出かけに行かれる際にでも
ぜひお聴きいただければ幸いです。
さて、今回はトルコの中心都市イスタンブールに来ています。
目の前に世界遺産のブルーモスクや、アヤソフィアが見え、
何ともエキゾチックな雰囲気に包まれています。
紀元前のギリシャ人入植者によって、この町の歴史が始まり、
東ローマ帝国やオスマントルコ帝国などを経て現在に至る…
そんなことを考えると、何か1つの道が見えてくるように、
思えてきます。
同時に、我が日本における「道」に目を向けると、
思い浮かんだのは、この一冊。
『最強の武道とは何か』 ニコラス・ペタス(著)
です。
著者は、極真空手の総帥・大山倍達氏の最後の内弟子にして
K-1などでも活躍したニコラス・ペタス氏。
「碧い目のサムライ」の異名を持つペタス氏が
"最強の武道とは何か"を求めて、他分野である柔道、相撲、合気道、
剣道、弓道などを実際に体験。
その際、それぞれの達人とも向き合い、
その真髄、強さを自らの身体で味わう、というものです。
本書の素晴らしいところは、
その道の一流の空気を、肌で感じたときの感覚が
文章として巧みに再現できている点にあります。
特に横綱白鵬とのエピソードには、ゾクゾクしました!
テレビを見ているだけでは想像もつかない、
実際に向き合った人でないとわからない"強さ"が
描かれています。
そして、全ての経験の末、ペタス氏が感じたのは
次のことです。
「どの武道にも感じたのは、心の重要性だ。
強さを求めると、必ず心に行き着くのだ。
それがスポーツとは違う、日本ならではのカルチャーの素晴らしさだと
いえるだろう」。
これはビジネスの世界においても同じことが言えると思いますが、
1つの道を究めようと邁進していると
その成功哲学や生き様には、どこか似かよったものが
生まれてきます。
達人に共通する資質とは、いかなるものか?
なぜ高齢になっても強くあり続けられるのか?
進化し続けられるのか?
そのまま普通に読むだけでも十分楽しめますが、
本書に書かれていることを、自らの仕事や生活に置き換えてみることで
より意義深い読書となります。
自らの道や生き方を持っている人ほど、
得られるものが多くなる、非常に示唆に富んだ一冊といえます。
尚、本書を読む際の音楽には、
マイルス・デイヴィスの名盤『カインド・オブ・ブルー』を
おすすめいたします。
カインド・オブ・ブルー /amazonへ
道を求め続けた偉大なるジャズミュージシャンの至極の音とともに
ぜひお楽しみください。
では、また次回。