「世界史を学ぶのに、何かいい本はありませんか?」
と、たびたび聞かれます。
書店に行けば、世界史の本は数多くありますし、
最近は、"2時間でわかる世界史"のような入門書も
かなり増えてきました。
それだけ需要があるということですよね。
同時に、どれを読んでいいのか、わからない、
という現象も起きてきます。
その結果、概論的な世界史の本を
とりあえず手にとってみる方が多くなると思います。
ちなみに、ぼくのオススメの世界史の学び方は、
一気に全体を把握しようとするのではなく、
"特定の国や人物"を通じて知っていくことです。
たとえば、人物なら、
ナポレオンやアレクサンダー大王、ルイ14世などに関する本を
読むことを通じて、軸をつくり、そこから深め、広げていくこと。
国の場合、イチオシは、
イギリスです。
世界史の重要な出来事は、イギリス抜きには語れません!
イギリス史を把握することが、世界史をつかむことに
直結します。
また、教養面でも、シェイクスピアの戯曲、
『ヘンリー四世』、『リチャード三世』『ジョン王』
など、イギリスの歴史を題材にした史劇が非常に多いのも特徴。
シェイクスピアの四大悲劇の1つ『マクベス』は
実在のスコットランド王マクベスをモデルにしていますし、
イギリス史を知っておくと、シェイクスピアへの理解が全く違ってきます。
イギリスは、政治や文学などでも
日本にも大きな影響を及ぼしていますし、
イギリスの歴史をつかむことから得られるものは
計り知れません。
今回紹介するのは、
『きちんと理解するイギリスの歴史』(著:内藤博文)
です。
きちんと理解するイギリスの歴史: アーサー王伝説、百年戦争、処女王、産業革命、サッチャー、ブレグジット…/amazonへ
イギリスの歴史が簡潔にわかりやすく書かれていて、
非常に読みやすい。
歴代9王朝、国王などを軸に
古代ローマ時代から、現代までもが見えてきます。
また、シェイクスピア理解にもつながる
英仏百年戦争、薔薇戦争なども、
関係系図や地図なども交えて書かれていて、
把握しやすくなっています。
イギリスの歴史を知ることで、世界情勢はもちろん、
今の日本、これからの日本が見えてくるのでは!?
この機会にぜひ読んでみてください。
尚、本書を読む際に、おすすめの音楽は
『メンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」、第4番「イタリア」』(指揮:クレンペラー、演奏:フィルハーモニア管弦楽団)
です。
イギリスの歴史を読むのに、
名曲「スコットランド」ほど、ぴったりなものは他にありません。
最高傑作と誉れ高いクレンペラーの名盤で、ぜひお楽しみください。
では、また次回。