「よもや死刑にはなるまい」
臥龍は、「危所に遊ぶ」という言葉が好きだ。
「自分を追い込んで苦しい状況で力を出せる人もいますけど、そういう人は少数派だと思うのです。
やっぱり楽しむ気持ちで臨んだほうが力は出るという人のほうが圧倒的に多いと思うんですよね。それから、楽しむ、遊ぶ気持ちというのは絶対に必要だと思います。
以前、『名人危所に遊ぶ』という言葉を書いたことがあります。
これは松尾芭蕉の言葉とも、その弟子の向井去来の言葉とも言われているのですが、名人、達人と言われる人は、自分だけの世界というか、基本から離れて新しい世界に飛び込んでいくと。その時でも遊ぶ、楽しむ気持ちを忘れないということなのです」
これは将棋の十七世名人・谷川浩司さんの言葉。
松尾芭蕉の俳句の旅、(現代の旅とは違い)たびたび死にそうな危険な目に合う。しかし、そのような旅だから、自然を凝視し、絶妙の句が読めた。
安全な新幹線の旅では読めない。
事業や仕事でも同じ。リスクのないところに進化前進はない。
それを楽しむ気持ちを創る。
もう一つ臥龍の好きな言葉。
「よもや死刑にはなるまい」
リコーの社長、会長を務められた浜田広さんの著書「浜田広が語る『随所に主となる』人間経営学」は、臥龍のバイブル本の一つ。
その中に、「自分は、『よもや死刑にはなるまい』、これだけで社長になった」とある。
会社のため、未来のため、これはやるべきだということを思い切って提言する、思い切ってやる。
思い切って言ってもやっても、死刑になることはない。多分。
自由がある日本、この恵まれた環境を活かそう!