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第30講 カスタマーハランスメント対策の実務策⑰

クレーム対応の新知識と新常識

「そもそも、相手の話に「どういうこと?」と疑問がわかない」「相手の話を掘り下げたいと思う気持ちがない」という『傾聴』が苦手な担当者が自動的に『傾聴』をするためにやるべきこと!!

 前回、『傾聴』というのは相手の話に「はい」「はい」と相槌を打ちながらじっと、ずっと話を聞くことではないと説明をしました。

 『傾聴する』ということは2段階のことをすることであることを前回、説明をしました。一段階目は、相手の話に違和感や疑問をもつこと、また、相手の話のある部分に興味を持つこと。二段階目は、その違和感に対して質問をすることでした。

 だけど、担当者にもいろいろな性格がありますから、《相手の話に違和感を持つほど、相手の話に興味が持てない》とか、《そもそも、他人の言葉にそれほど関心がわかない》とか、《相手の話に違和感をもったところで、それを明解にしたいと思わない》や《仕事の相手と人間関係を作ることは自分にとって意味がない》などの思考の人もいるでしょう。今の時代、それはそれで、尊重しないわけにいかない性格ということになります。
 しかし、ご不満やご不安やクレームを言いたいお客様は、担当者に自分の気持ちや自分の話に寄り添ってほしいという欲求をもって連絡してくる人がほとんどです。
 なので、その気持ちを満たすことが、クレーム対応が難渋にならない結果となったり、クレーム対応が終話できる良い結果となることは、なんとなく、すべての担当者はわかっていると思います。それは、「寄り添っているように感じる態度」ですね。その1つが『傾聴』することなので、私たちのような接客マナーやクレーム対応研修の講師たちは『傾聴しましょう!』と指導するのです。

 でも、担当者にもいろいろな性格の人がいますので、すべての担当者が簡単に『傾聴する』ことができるわけではないのです。『傾聴』は相手の話の中に違和感を持つことが第1ステップですが、相手の話に「なんで?」と感じない担当者もいますし、「なんで?」と思ったところで、他人のことなので掘り下げたくないという担当者もいますし、「このお客様、あやしい!」と掘り下げないうちに、自分で決めつけてしまう担当者もいます。担当者にもいろんなタイプがいることを折り込んでおかなければならない時代です。

 そこで、どんな性格の担当者であろうと『傾聴』をし、『寄り添ってほしがるお客様』の気持ちを満たすためには、自分で寄り添うことを苦心しないで、まずは型どおりの『傾聴』をすることが必要だと私は考えています。なので、担当者のあなたはお客様の話に対して違和感を持っても持たなくてもどちらでもかまいません。

 ただ『傾聴』が必要ですので、下記に、相手がこのトークを言ったら、このトークで返すことで『傾聴』となる、つまり『寄り添う担当者の感じになる』トーク例を紹介します。

 客「***を探しているのですが、ちっとも見つかりません。もう、販売していないのですか?」と、ほしい商品の販売店を知りたいという連絡だった場合、担当者は「その商品のどのようなところに興味を持っていただいていますか?」とか「もう、ずいぶんお探しいただいているのでしょうか」と質問をします。これが『傾聴』です。むしろ、すぐに回答することは『傾聴』にはなりません。
 次回、さらに『傾聴』をしていることになるトークをたくさん紹介します。

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