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戦略・戦術

第80回『世界は、ますます二極化する。人を介すビジネス、人を介さないビジネスに分かれている!』~6カ国、8都市視察報告~

継続経営 百話百行

2023年9月から10月にかけて
6カ国、8都市に行ってきました。
世界がコロナ後、大きく動き始め
残る中小企業と、去りゆく中小企業が明確になってきたのを

さらに、現地で確かめ検証していきたいと思ったのです。

今回訪問予定の場所と視察候補に選んだ理由は、

スペイン
→ 今後、日本の人口が少なくても、人を引き寄せる個の特徴とは何か!?

フランス
→ ボルドーだけで6000ワイナリーがある!
 そこで残る、芽が出るにはどうするのか?

ベルギー
→ 九州と同じくらいの小さな面積に人はなぜ引き寄せられるのか?

GUAM
→ ドル圏の物価上昇を体験!

韓国
→ なぜ、日本の4割の人口で世界的な最先端が生まれるのか!?

台湾
→ ついに1人当たりGDPが日本を抜いた!
 急成長の原動力が中小企業経営成長のヒントになるのでは!?

この1,2年で
世界や日本は大きく変化をし


かつて世界第2位、アジア第1位だった日本は
台湾、韓国に1人当たりGDPが抜かれ
海外に行くと
インフレよりも、円安を痛感する。

円安が続く中、
政府が強い対策をしないのは
円安が日本に大きく良い影響をもたらすからと考えているのでしょう。

日本からの輸出企業
日本へのインバウンド

この2つは大きなメリットがあります。

しかし、円安が進むに連れ
日本の1人当たりGDPはドンドン抜かれています。


今回の視察は
一挙に短期間で回ることにより
比較と、気づきを大きくしてこようと思ったのです。

何を感じ、何がヒントになるのか?

 

(1)野田宜成の視察

・世界で活躍する日本人に会いに行く
・特別な体験をする
・世界の流れをつかみ、キャッシュポイントを考える

今回のダイジェスト映像です。
観てください。
↓↓↓↓
 

(2)訪問国・都市のデータ

■グアム
人口 160,378人(2023年)
GDP 61億2300万ドル(2021年)
1人当たりGDP 35,905ドル(2021年)
面積 淡路島くらい

■大韓民国
人口 5,163万人(2022年・外務省)
GDP 1兆7,978億ドル(2021年・外務省)
1人当たりGDP 3万2,250米ドル(2022年・ジェトロ)
面積 日本の約4分の1

■台湾
人口 2,326万人(2022年・外務省)
GDP 7,626億米ドル(2022年・外務省)
1人当たりGDP 32,811米ドル(2022年・外務省)
面積 九州よりやや小さい

■スペイン王国
人口 4,760万人(2022年・外務省)
GDP 1兆4,005億ドル(2022年・外務省)
1人当たりGDP 29,421米ドル(2022年・外務省)
面積 日本の約1.3倍

■フランス共和国
人口 6,804万人(2022年・外務省)
GDP 2兆7840億ドル(2022年・外務省)
1人当たりGDP 42,409米ドル(2022年・外務省)
面積 日本の1.5倍

■ベルギー王国
人口 1,170万人(2022年・外務省)
GDP 5,818億ドル(2021年・外務省)
1人当たりGDP 50,413ドル(2021年・外務省)
面積 日本の12分の1

■日本
人口 1億2494万(2022年・総務省)
GDP 562.7兆円(2022年度・総務省)
1人当たりGDP 33,854ドル(2022年・IMF)


 

(3)物価(2023年9.10月)

物価がものすごい高いわけではなく、円安の影響が大きい。
やはり、現地の生活水準の為替としては
1ドルは100円
1ユーロは、100円
1000ウォンは、100円
1台湾ドルは、3円と感じる。

それに対して為替の違いを見ると

1ドル =100円 =149.71 円 (1.49倍)
1ユーロ =100円 =157.89 円 (1.58倍)
1000ウォン =100円 =110円 (1.1倍)
1TWD =3円 =4.65 円 (1.55倍)

この倍率分、円安という感じだ。


1.グアムのタクシー

グアムで、空港から
UBERのようなライドシェアで、グアム独自の、Strollに乗った。
タクシーよりは若干安い。

それでも
9分55秒、3.2km乗って
19.11ドル(2860円)

高く感じる。


2.グアムのハーゲンダッツアイスクリーム

12.05ドル(1,795円)

3.各国の比較

■水1.5リットル
GUAM 99セント(148円)
韓国  910W(100円)
スペイン・ドゥランゴ 0.39E(61円)
フランス・ボルドー 1.12E(176円)

■水500ml
フランクフルト空港 3.95E(624円)

■トイレットペーパー4ロール
GUAM 2.99ドル(448円)
韓国  3990W(439円)
スペイン・ドゥランゴ 2.64E(417円)
フランス・ボルドー 2.5E(6ロール395円)
ベルギー・アントワープ 3.79E(598円)

■牛乳1リットル換算
GUAM 6.99ドル(1,048円1.89リットル)
GUAM 3.69ドル(553円)
韓国  2,980W(330円)
スペイン・ドゥランゴ 0.86€(135円)
フランス・ボルドー 1€(158円)
ベルギー・アントワープ

■コカコーラ500ml
韓国 1,700W(187円)
フランクフルト空港 4.65E(734円)
スペイン・ドゥランゴ 1.39E(220円)
フランス・ボルドー 1.03E(162円)
ベルギー・アントワープ 1.83E(1リットル 289円)

■たまご(12個換算)
韓国 4,784W(478円)
スペイン・ドゥランゴ 2E(316円)
フランス・ボルドー 2.4E(379円)
ベルギー・アントワープ 2.39E(377円)

W=ウォン
E=ユーロ


(4)各地で感じたこと

1. どこに行っても韓国製品になった。

ホテルのテレビや家電製品は、韓国のサムスンやLGになった。
少し前までは、日本製が多かったが。。。

自動車販売台数も世界第4位まで韓国のヒュンダイグループに
なってきた。

2. ヨーロッパに行くと田舎に人が集まる

ヨーロッパは地方都市の集まり
それぞれが何かの特色があり人が集まるようになっている。
そして、かならず、おいしい飲食店がある。

その街づくりも、日本がこれから参考すべき事がたくさんある。
特色をつくるのに
「何かの街」と言えるようにする。
簡単にいうと、
ここにくると、Tシャツ屋さんが300店あります
といえば、興味を持つ人がいる。

120人の村にも5億から7億の年商のお店(レストラン)がある

3. 環境は、大波が来る

ヨーロッパは環境先進国と言われる。
ホテルのゴミ箱、街中のゴミ箱は
ものすごい分別が進んでいる。


   写真は、スペインの街中にあるゴミ出し場所、分別の種類が多い

しかし、ヨーロッパの環境は
政治主導のことが多い。

電気自動車がものすごい環境に良いとし
助成金などにより
普及を後押ししたが
中国の電気自動車がものすごい勢いで
売れ始めると
電気自動車の後押しをしなくなった。


写真は、電気自動車のシェアカー


そして、
CO2排出を削減するためにクリーンな発電をすると
していたが
それが難しいとわかると
EUの大国、フランスと、ドイツは
グリーンエネルギーに入っていなかった
原子力、天然ガスもグリーンにするとした。

政治によることが多い環境問題だが
ながれは、間違いなくCO2削減に動いており

日本の中小企業にも影響が
間違いなく一挙にやって来る。

4. レコードショップが増えている

ベルギーのブリュッセルには
街中を少し歩くだけで
何店舗もレコードショップがあった。


日本でも
レコードの売上が増えている。
オーディオレコードのうちアナログディスク(アナログレコード)は、数量で前年比126%の269万1,000枚、金額は前年比145%の62億6,700万円となり、1989年以来34年ぶりの60億円超えとなった。


https://www.musicman.co.jp/business/596093 より

どの時代でもそうだが
ビジネスの方向性として
「便利なもの」が普及していく
しかし、ある一定数超えたところで
「趣味的なもの」が一定数できる。

趣味的なものは、便利なものの対局で
あまり数は出ないが
高くても欲しい人の集団だ。

自転車もドンドン便利になり、電動アシスト自転車まで出てきたが
今では、空前の自転車ブームだ。

LEDが普及し、変えなくても良い、色も変えられると便利だが
面倒でも暖かいと電球の需要が一定数ある。

中小企業は
「便利」はレッドオーシャン化しやすいので
「趣味」に傾倒するのもすごく良い戦略だ。

5. TATTOOショップもよく目にする

TATTOO、つまり入れ墨ショップも
すごく目にする。
オランダ、ベルギーどこでも目にすることができる。

日本人とは違うイメージで
ファッションとして受けているようだ。

しかし、
TATTOOは、腎機能や、肝機能の低下がわかっているようなので
健康を意識している人は気をつけるとよいようだ。

6. 芸術は面白い

ベルギーブリュッセル、アントワープには
たくさんの美術館があって面白い。

ある経営者に
最終的な判断はセンス。
美的センスを上げておくことが
判断力を上げるといわれたのを思い出す。

ベルギー第二の都市アントワープには
その中でも
メイヤー ヴァン デン ヴェルグ美術館

美術館ではないが、聖母大聖堂にいってきた。

メイヤー ヴァン デン ヴェルグ美術館では、
ピーテル・ブリューゲルの『悪女フリート』が所蔵されている。
ブリューゲルは、その当時の風俗を鮮明に描写していることでも有名。
そして、ことわざのように意味がちりばめられているのも面白い。

そして、聖母大聖堂は
フランダースの犬の舞台になったところとして有名だ。
そして、ルーベンスの絵がたくさん飾られている。

その一つの絵『キリストの降架』ここの前で
ネロとパトラッシュは天に昇っていくのです。



   写真は、筆者、ネロとパトラッシュと同じ場所で横たわってみた

ルーベンスの絵は歴史がが多く、力強く、そしてふくよかな女性が
特徴的だ。

首都ブリュッセルにもたくさんあるのだが
ベルギー王立美術館は、一度入った方が良い美術館だろう。

1803年にオープンした歴史ある美術館だ。

その中でも
ルネ・マグリットの作品数はすごい。
マグリットは
目に見えるものではなく、頭の中にある神秘や矛盾を絵に表現している。
なので、観ると戸惑い、そして、題名を見て、また考えさせられる。

暗闇を描く作品、その題名は「隠れた労働」
真っ暗な中にも働いている人がいるといいたいのか?
暗闇と賭けて良くない労働があるといいたいのか


グーグル翻訳で翻訳した。便利な世の中になった。
いろいろ考えさせられる作品が多い。

マグリットの青いリンゴをモチーフにした作品が多いが
その一つの作品をマッカートニーが所持し
その青リンゴを見て
ビートルズのロゴを決め、レコード会社もアップルレコードとした。


(5)まとめ

各地を短期間で見ることにより
世界の流れ、違いなどが鮮明になった。

それは

●物価は、しばらく上昇するであろう。
 半年経った今も日本、アメリカ、世界で物価上昇は続いている。
 日本でも、物価上昇が常態化したと言って良いだろう。
 物価は2-3%であがるとして計画をすると良い。

●二極化
 どの国、どの都市に行っても感じる。
 高所得と低所得の差が広がっている。
 そして、低所得の人はより生きにくくなっている。

 物価上昇と共に、家から追い出されホームレスになっている。
 どの国に行っても、コロナ前よりも増えている。

 日本は、そこまでの貧富の差はない。
 賃貸住宅の価格も海外先進国と比べ安定し、上昇率は低い。
 そこを強みとして、戦略立てるべきだろう。

 中国とアメリカのバランスが崩れ
 中国はデフレ製造マシンで、アメリカはインフレ製造マシンだ。
 その均衡が崩れ、インフレが加速している。
 もうしばらくこの傾向は続くが、そこまで中国は弱くならないと思う。

●環境
 ヨーロッパから発信されている、CO2削減問題、確実に
 世界にこの環境対策は広がる。
 電気も素材もすべて、CO2排出量がどれだけか問われる時代に
 なるだろう。

 そうなると、中小企業も影響が出てくる。
 今のうちから対策を準備しておかなければならない。

●人を介すビジネス、人を介さないビジネス
 これが、世界で加速している。
 インフレとともに人件費が上がり
 今までと同じ人数でビジネスをすると利益が出にくい。
 だから、人を介さないビジネスをやるか
 それとも、お金を上げてでも、人を介すのか
 これが二極化してきた。

 日本以外では、低価格の商売(ファーストフードや低価格小売)などは
 レジに人がいない、ほとんど機械になり

 逆に、レストランでも、ホテルでも人がたくさん介在しているところは
 さらに価格が上昇している。
 それでも人が介在する方が良いからだ。

 低価格、または、今までと同じ価格でいくなら、人を介さない。
 高付加価値高単価でいくなら、今まで以上に価格を上げて、人を介す。
 ここを見極めないといけない。

第79回『人口減少時、中小企業の戦略が見えてきた!』 ~ヨーロッパ視察でわかった。人口が少なくてもできるビジネス~前のページ

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