「日本人は、答えをせっかちに教え過ぎる」
昨日は、秋田のメーカーで「OJT(現場指導力)向上研修」を行った。
何を基準にOJTをするのか?
それは自分達の「価値観=北極星=理念」だ。
例えで、以下のような事例を紹介した。
レストランで、スタッフが食器を下げにいった。
子ども達もいたせいか、テーブルにジュースがこぼれ、イスに落ち、更に床にも落ちていた。
どこから拭くか?
A. テーブル
B. イス
C. 床
挙手していただくと当然、Aのテーブル。
理由は、重力があるから、上から拭かないと下に落ちる可能性があるからだ。
あるレストランに勤務を始めたアルバイトスタッフ、当然のように、テーブル、イス、床と拭いていた。
すると通りかかった上司、「〇〇さん、それ手順が違うと思うよ」。
「どこがですか?」
「うちの理念に照らして考えてみて、分かる?」
「いえ、分かりません」
「じゃ、お昼のシフト上がりに聞かせてね」
そして、お昼のシフト上がりに問いかける。
「分かった?」
「いやー、やっぱり分かりません」
「じゃ、明日の朝礼で聞かせてね」
次の日の朝礼で問いかける。
「分かった?」
「はい。床から先に拭きます」
「理由は?」
「うちの行動基準は、1に安全、2に礼儀正しく、3に全てはショー、4に効率的にです。テーブルから拭くのは効率的ですが、ゲストが足を滑らせるリスクから考えたら、一刻も早く床から拭かないといけません」
上司、大きく手を広げ、驚愕の表情で称えます!
「〇〇さん、凄~~~い!あなたほど、理念を深く理解している人はいない。あなたはミスター・ディズニーだ!皆さん、彼に大きな拍手を!!」
日本人は、答えをせっかちに教え過ぎる。
「聞いた答えはすぐに忘れる。あがいて掴んだ答えは、生涯手放さない」(臥龍)
「OJTとは、自ら考える力を引き出すこと」(臥龍)
昨日のメーカーで、「皆さん、答えを教えてないですか?」と聞くと、多くのリーダーが苦笑い。
秋田より愛を込めて。臥龍