「出会った後の話し込みが大事だ」
「人間は一生のうちに逢うべき人には必ず逢える。しかも、一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時に」(森信三先生の言葉)
出会いの中でも、トップにとってはNO.2との出会いはまた格別だ。
臥龍も数多くの経営者を見てきたが、NO.2と出会えた経営者の企業は、その成長を倍加させる。
世界のホンダを創った本田宗一郎とNO.2藤沢武夫の出会いもまた絶妙のタイミングだった。
ときは昭和24年の春、そして最初の二年間、徹底的に膝を突き合わせ、二人はトコトン話し合った。
明け方の3時、4時もざらだったそうだ。
その結果、ホンダを貫くタテ糸が出来た。
お互いの腹が分かったことで、宗一郎は販売・財務を武夫氏に丸投げして、工場に引きこもった。
経営の道筋で余り打ち合わせ時間を取らない二人を評して、一時は不仲説も出たほどだが、あらゆるケースを話し合っていたので、ほとんど想定外はなかったというのが実情だ。
そのタテ糸の凄さが出たのが、トップ交代の場面だった。
二人とも、親族・身内は入社させない。
そして引くときは二人揃ってスパッと引いて、後進に任せきった。
院政的な匂いは微塵もなかった。
想像だが、理想的な交代劇も予め決めていたと思われる。
良き出会いがあったとしても、ここまで腹蔵なく話し合うことは少ないのではないだろうか?
余談だが、トヨタ全ディーラーの中で、圧倒的なCS実現を誇るネッツトヨタ南国(高知)の採用面接は、一人当たり20~200時間だ。
結果、離職率は1%未満だ。
秋田より愛を込めて。臥龍