経営者として収益を向上すべく必死の思いで売上拡大に努力し、売れる商品を開発、提供し、人を集め、組織化し、収益の拡大を目指す。常に時流を感じ、変化 に即応して企業の活動を維持させることに腐心の毎日を送る。
やっとひと門の経営者として認められ、企業体質も磐石の体をなしてくる。
「世代を交代」が頭の中をかすめ、相続の事で株価を算定してもらうと50円の株がなんと1万円にもなっている。配当もせず役員賞与もとらず純 利益はただひたすら内部へ蓄積していったのであるから当たり前と税理士からは言われる。
これでは次の後継者に相続していこうと考えた時、とんでもない負担を子供達にかけてしまう事になる。
どうしたらよいのか、長年顧問をお願いしている税理士に相談するが、税額の話をしても「対策」の具体的な提案も出てこない。
「先生 うちの顧問税理士に相談しても的確な回答がない。一体どうしたらいいのでしょうか?」と私のところに相談にお見えになる方が大変多 い。
実際となれば、いつも大都市の相続専門の税理士をご紹介することになるのだが・・・・・・
長い歴史を持つK社の相続が発生した時、地域ではやり手と言われていた税理士事務所がその相続手続きを行った。ところが2年後の税務調査の結 果、とんでもない追徴課税をとられ、大変な目に合われたことがあった。
「私は専門家にお任せして言われるままにやってきたのですが、どんでもない金の負担をしいられました。」
「その税理士さん どうされました」
「辞めてもらいました」
温厚なK社長が語気を荒げて言われていたことを今もはっきりと思い出します。
後日、私は相続専門の税理士先生に尋ねました。
「専門家でもこんな失敗をやらかすのですか?」
「相続税の専門家と言える人はこの日本に50人もいないのではないでしょうか」
「なぜ そんな少ないのですか?」
「多額の相続で頭を悩まれてるケースがそんなに多くない事、要は税理士事務所のビジネス(お金)にならないんですよ。それなのに毎年相続がら みの税法が変わり、いつも勉強していないとついていけないんですよ。先生もご存知の通り、税理士はあまり勉強しませんからね・」
毎年、私は、相続に強い弁護士を「後継社長塾」にお招きして講演をして頂いている。
20年間毎年、それらの話を聞いているので私も当然知識が蓄積されているわけであるが、どうか、税理士でも弁護士でもその専門によって、対応 策がかなり違うことに驚かされるのである。
相続の際には、相続に強い専門の智恵尾をお使いになることを、ぜひともすすめる。
難しい病気になって名医を捜すと言っても、同じ医学博士だからと内科に行くべきを耳鼻科に行ったり、心臓を患って胃腸の専門家に頼るのは避け ていただきたいものだ。