もはや平成も終わろうとしています。
なのに、中小企業の実務の実態を拝見すると、いまだに昭和の人海戦術がそのまま残っていたりします。
インターネットやシステム活用が当たり前の今、人海戦術で労務費を垂れ流していては、生き残れないのです。
中小企業こそ、ノンペーパー(紙無し)・ノンライティング(手書き無し)を、進めてゆくべきなのです。
下記に、どこの中小企業でもありがちな、「手書き」と「紙」の主だったものの例を一覧にしました。ひとつずつチェックし、自社で該当するものがないか、確認してください。
いかがでしょうか?
ひとつでも該当するものがあれば、ノンペーパー(紙無し)・ノンライティング(手書き無し)となる、IT・デジタル対応に切り替えてほしいのです。
給与明細や請求書ならメールで送信して、手渡しや郵送作業をやめる。
受発注はオンライン中心とし、紙をファックス送信して電話確認する作業をやめる。
在庫管理はバーコードを活用して手書き作業をなくす。
会議資料はパソコンを活用して、紙の印刷や準備作業をなくす。
会議室や行動予定、情報回覧等は、インターネット上のクラウドシステムを活用する。
等々、これらだけでも労務コストを大きく減らすことができるのです。
しかし、このようなことを提案すると、必ず反対勢力が出てきます。
「うちの規模だと手作業のほうが早いしコストも対して変わりません。」
→コストが大して変わらないのなら、なぜ新しい方法に変えないのか
「インターネット活用にして、情報漏洩などありませんか?」
→紙なら完璧なのか?紙の方が漏洩・紛失・改ざんしやすいのではいか?
「中小企業ではまだ、そんなに進んでいなんじゃないですか?」
→いつになったらするのか?周りが皆やってからでないと、変えないのか?
とにかく、反対勢力の方々はああだこうだと言い立てて、今のやり方を変えようとしないのです。結局、変えることが面倒くさいのです。新たなやり方に変えるには、それなりの労力を伴います。試験段階は、アナログとデジタルの両面で取り組み、二重手間も発生します。
しかし、多くのことがそうであったように、一度変えてしまえば、その利便性を感じます。もとのやり方に戻そうなどと、誰も言わないのです。
それに、手書きや紙ベースの手作業には、直接的なコスト以外に、アナログであるがゆえに発生するコストもあるのです。
例えば給与明細です。紙で手渡ししていると、退職や異動があった際に、担当者は1枚の明細を本人に届けるため、様々な確認や手間に時間を割くこととなります。そのようなコストは、比較対象に入っていないのです。
メール送信やネット上での給与明細配信にすれば、本人に届かない、ということ自体が起こりにくくなります。言ってしまえばムダな作業がなくなるのです。
そのほうがよほど効率的で、生産性向上に貢献できるのです。
手書きでする、紙を使うことで付加価値が高まり、売値を上げれて、売上総利益が上がるなら何も言いません。しかし、そうでないのなら、ノンライティング「手書き無し」・ノンペーパー「紙無し」に取組み、今後も上昇する労務コストを削減する方向に、進めてほしいのです。
付加価値が上がりもしないことに、労務コストをかけている余裕など、中小企業には、ないはずなのです。