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戦略・戦術

第145話 「古い生産設備を長く使うな!」

強い会社を築く ビジネス・クリニック

多くの経営者は、投資した設備を出来る限り長く使い切りたいと努力されている。
手入れをよくして、機械設備を愛おしく大切にされている経営者におめにかかります。

そして、自慢されている。

「なぜ そんなにいつまでも 古い機械を使っているのですか?」
「いや! 経営コンサルタントらしくない発言でんな! 大枚なお金を払って 手に入れたもんでんがな! 長い間使い切ってこそ儲けが出るんとちゃいまっか?」
作業服の老練な社長が不信な目でおっしゃる。

「これらの機械で、もっと効率的な新設備機械は世に出ていないのですか?」
「そら~ 次から次へと、コンピュター付の新製品の売り込みがありますがな!」
「なんで 購入を検討されないのですか?」
「ほら!  髙こうて手が出ませんし、この機械まだ使えますし、もったいないで
んがな!」
「もったいない? 社長!  外に見えるあのお車 社長車!
あれ 先月発売された新車でしよう・・・・確か1200万円はするのでは?」

「前の車は3年間乗っておられましたね?」
「ほらね!この車の方が安全性快適性、デザインも良くて良いでしょう!」
「しかし、別にあの車で儲けが出るとは言えないのでは・・・・もったいないと
 は考えませんか?」
「3年乗って下取りに出せば、それの方が得なんですよ!償却や除却損も出せますし・・・」
「社長!  解っているじゃないですか!」
「なにが?」

販売製品の価値向上、労働生産性を高めようとするならば、常に最先端の施設投資が課題になります。
古い機械設備を使いこんで減価償却費がなくなるまで使い、税前利益を出そうとするのでしょうか?
最新鋭の施設機械設備をして品質、効率を求めて、キヤシユフローをよくする償却を考えれば良いのではないでしようか。

後発のライバルに負けるのは、古い老年体質のこんな会社が多いのです。
世の常識 おかしいとは思いませんか?

減価償却は確かに経費ですので、多額になれば営業利益、経常利益を悪くします。
しかし、この経費勘定は、現金の出金を伴わない費用ですので、キャッシュフロー(使えるお金)の元金でもあるのです。
古い機械を除去して売り払い、最新鋭の機械を導入して、品質の向上、人件費の減少を図ればいいではないでしょうか?


日本の労働者が減少し、人の質が低下していくことは目に見えています。
目先の儲けに目を奪われることなく、品質を上げて粗利益率(売上総利益率)を0.5%、1% と少しでも上げていく対策を取っていただきたいのです。

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