menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

戦略・戦術

第76話 「ハイパーインフレは まだまだ起こらない(2)」

強い会社を築く ビジネス・クリニック

前月に、私見として10項目の理由を述べました。
格付機関のムーディーズが、日本の国債の格付けを「Aa3」のネガテイブに引き下げました。日本の財務省は、デフォルトなど考えられないと言って、外国格付会社宛に意見、反論を述べています。
 
理由は
1、日本は 経常収支は黒字である
2、日本は、巨額の対外資産(債権国253兆円)を持つ
3、日本は、巨額の外貨準備高がある
4、発行する国債は、自国民で95%持っている
5、日本国債は、円建も債権である
 
これだけの理由で、国債1000兆円のデフォルトが発生せず、ましてハイパーインフレが来ないと述べています。
私も政府の肩を持つわけではありませんが、インフレは発生いたしません。
まだまだ続くこのデフレ基調をベースとして、我々中小企業は、次の4つの対策を打つべきなのです。
 
1、資産デフレ → オフバランス実行
土地も有価証券も値上がりはありません。
会社のB/Sの左側の資産の部に含み損が発生しています。特別損失を出して、節税してキャッシュを生み出し、借入金を返済してください。
自社の格付けを上げてください。借金を減じると年金利率も下がります。今や0.5%を切る時代に入っています。
 
2、コストデフレ → コスト競争に勝つ
原材料も下がっているはず。経費も下がるはず。支払金利額も減るはず。
労務費も減じてコスト競争に打ち勝つ。当然、海外戦略も戦術も考えないといけませんね。
 
3、デマンドデフレ → MD(マーチャンダイジング)
もう昔の売り物、昔の得意先、昔のチャネルでは需要が減るばかりです。
そんな日本でも、世界でも、人間は存在しています。伸びる市場,陽のあたる市場に新しい売りものを提供していく。
需要ニーズが変わっているのです。市場をもっと見ましょう。
 
4、過剰デフレ →  差別化
人の真似をして、他人と同じように悩んでいては差別化はできません。
新しい先端技術、設備、素材に、商売に挑戦しましょう。
他社とは異なる方法を考えましょう。
 
 
インフレで儲けた人は、このデフレ時代には化石になってしまったことを知るべきです。
 
日本人は、「タイヘンダ」「タイヘンダ」で、こんな事では「ダメダメ」「ダメだ」との掛け声が大好きです。しかし、唱えてばかりいないで若い者に挑戦させるべきです。

 

第75話 「ハイパーインフレは まだまだ起こらない(1)」前のページ

第77話 「私 インフレの体験者 デフレの体験者です」次のページ

関連セミナー・商品

  1. 第38期「後継社長塾」

    セミナー

    第38期「後継社長塾」

  2. 井上和弘の経営の核心102項

    井上和弘の経営の核心102項

  3. 井上和弘『経営革新全集』10巻完結記念講演会 収録

    音声・映像

    井上和弘『経営革新全集』10巻完結記念講演会 収録

関連記事

  1. 第159話 「タイムカードを電子化し、給与明細はメール配信にしなさい!」

  2. 第101話 「危機感をもっていました人手不足時代が 又 やってきました part3」

  3. 第126話 「小さい会社で勝負する」

最新の経営コラム

  1. 第49話 統計データと自社水準とを比較する際に注意すべきこと

  2. 191軒目 「山ばな平八茶屋 @京都市 ~寒露の銀木犀とぐじの若狭焼きと酒蒸し」

  3. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年12月11日号)

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 健康

    第29回 「氣力を養う」
  2. 教養

    第48回 『京大式 おもろい勉強法』 (著:山極寿一)
  3. 税務・会計

    第26号 中小企業の本当の消費税対策~その5~
  4. マネジメント

    万物流転する世を生き抜く(43) 三成の駆け引きを知り尽くした家康
  5. 教養

    第9回 『誰が為に俺は弾くのか』(寺内タケシ 著)
keyboard_arrow_up