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人事・労務

第6話 責任等級を根拠に個別の給料を決める

「賃金の誤解」

  会社があって、職場があり、人が採用され、仕事に取り組んだ時に給料が支払われるわけですが、給料の払い方には二つの考え方、要素がありま す。
 
 一方が正しくて、もう一方は正しくないというものではありませんが、ひとつは「その仕事にふさわしい給料はいくらか」であり、他方は「その人 にふさわしい給料はいくらか」です。
 
 つまり「担当している仕事」と「仕事をする人」が賃金に関わるわけですが、賃金管理研究所が主張する責任等級制では給与決定の第一要素は「仕 事」と定義し、責任の重さ、難易度を基準として「職位として責任区分」を設けます。
 
 この「職位として責任区分」を能率的な組織運営の理論、つまりトップからの指示命令と職場の第一線からの報告が躍動的に往来する精鋭組織のラ イン職制を幹として表示すれば、規模にふさわしい責任等級が職位としてできあがります。
 
 典型的な中堅企業を例にとれば、仕事のための階層数は職種を考慮しても6段階となります。
 

 仕事の責任の重さは等級に定義されたわけですから、次の要素として「その人の仕事力」を評価します。各等級初号から始まる号数がそれであり、 年2回、賞与時の成績評価制度の結果(成績評語)を重要な資料として客観的に仕事力を測定し、昇給評語を定め、評語にふさわしい昇給を実現しま す。
 
 例えば、山田君の本給が「Ⅲ等級21号」だとすれば、彼の担当している仕事の質=「責任の重さ、仕事の難易度」は、上級職(Ⅲ等級)であり、 賃金表から現号数の金額を読み取れば、直ちに本給額が分かります。
 
 そして彼の年令が27才だとすれば、山田君は若くて優秀な人(昇給評語SまたはAが多かった)で、十分将来を嘱望されているだけでなく、 1~2年後には、仕事力が認められてⅣ等級(係長)へ昇進できることまで推定することができます。
 
 これに対して彼の年令が35才をすぎているとすれば、この人は優秀な人材とは言えない(昇給評語Cも多かった)だけでなく、このままでは昇格 昇進は期待できないということまで判断できるわけです。
 
 このように、責任等級制に基づいて、従業員の給料は担当している仕事で等級が、その勤務成績の累積で号数が決められることになりますから、給 料への不平や将来に対する不安なども、ほとんど解消することができ、労働モラールの形成に貢献することになります。
 
 加えて責任等級では職種を超えた統一本給表が運用の要となるため、職種を横断した人事異動が可能となり、適材適所、人材活用が実現できること も責任等級制の大きなメリットです。

 

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