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不動産

第1回 不動産業界の現実と展望

売れる住宅を創る 100の視点

初めまして、碓井建築オフィスの碓井です。

私は30年以上にわたり、大手設計事務所でマンションの商品企画や設計・工事監理に携わりました。
現在は主にディベロッパーと一緒にマンション「商品企画」や「設計監修」等のコンサルティングをする傍ら、
マンションや戸建の購入者向けに「購入相談」「現地同行チェック」や「内覧会同行」チェックを行っています。

これらの体験に基づき、不動産業を営んでいる方々や、マンションや戸建購入を検討している方々に、
不動産業全般に関しての情報やお話を毎月、皆様にお伝えする事に致しました。



さて、第一回目は「不動産市況の現実」についてのお話をさせて戴きます。

現在の不動産市況は決して良い状況とは言えません。最初から冷や水を浴びせるようで恐縮ですが、まず地価の動向
ですが地価は今後後更に下落すると予想されています。理由は土地の取引が激減し、特に大規模な土地や都心の高額
な土地の取引がほとんど無いからです。

マンションに至っては新規分譲マンションの供給が急激に減り,購入者も減って当初の価格では客が付かず、価格の見直し
をして価格を下げ「新価格」で何とか販売しているのが現況です。大手ディベロッパー約20社程度がマンション用地を購入し、
分譲マンションの事業化をしていますが、中堅ディベロッパーは「完成在庫」の処分を最優先にし、「買取仲介」で何とか
しのいでいるのが現況です。マンションの住戸価格は今後更に下がると予想されています。


建売住宅に於いては高価格物件は全くと言っていい程売れず、低価格の建売住宅は少し好調の兆しが見えてきました。

賃貸ビルに関しては,新築の大型ビルの空室が多く、賃料の値下げ競争が始まっているそうです。

流通に関しては中古マンションの流通が増え、今までは中古マンションの仲介は主に中小の不動産屋が行なっていましたが、
大手ディベロッパーまでが中古マンションの仲介に本格的に参入してきました。

以上の事項を総合的に判断致しますと「不動産市況の現実」は大手ディベロッパーにとっても中堅ディベロッパーにとっても
決して良い市況とは言えません。

若干の財閥系、金融系のディベロッパーが、マンション用地を買い漁っているとの事です。

現在の不動産市況は天気で言えば「どしゃぶり」状況でもう2年後位で雨が止んで晴天が見えてくるだろうという状態です。


次回のコラムでは、この不動産市況で「不動産業界での勝ち残り方」をお話を致します。

碓井民朗     

第2回 不動産業界での勝ち残り方次のページ

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