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不動産

第53回 戸建に於ける最低限のセキュリティー

売れる住宅を創る 100の視点

今回は前回と同じフェーズ8の「 モノづくり 」第2項目の『 安心・安全 』4項目中の最後の第4項目である『 戸建に於ける最低限のセキュリティー。 』に関してのお話を致します。

前回はフェーズ8の「 モノづくり 」の『 安心・安全 』4項目の中の第3項目である『 マンションに於ける最低限のセキュリティー。 』に関してのお話を致しました。
 
「 モノづくり 」に於いて住まいの『 安心・安全 』という事で最後の4番目に申し上げたいのが『 戸建に於ける最低限のセキュリティー。 』と言う事で、今回もまた具体的に詳しく御説明致します。
 
前回のおさらいを致しますと「 モノづくり 」の重要な事である、住まいは『 安心・安全 』が非常に大切で『 マンションに於ける最低限のセキュリティー。 』という項目の内容を具体的にあまり費用をかけずにマンションで最低限のセキュリティーに関しての御説明を致しました。
 
さて、前回と同様に今回に於いても私が建築家として最も得意とする「 モノづくり 」の「 こだわり 」についてのお話を致します。
 
このコラムで、いつも申し上げていますが、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーにとってはこれから大変な時期が到来致します。
 
これから不動産業界は超大手、大手ディベの寡占化がかなり進みますので、凌駕する為には是非、分譲予定物件の「 モノづくり 」は「 こだわり 」を持って、顧客が気付かない細かな所に気遣いや配慮が行き届いた良い商品を作り続ける事で信用を得て売らなければなりません。
 
そして、その様な物件を分譲し続けますと、準大手や中堅ディベロッパーに於いても、会社の信用が世間で高まり「 ブランディング形成 」( ブランドを高める事 )になっていき会社の知名度も上がり、超大手や大手ディベと互角に勝負できるのです。
 
その様になる為にも、今回のタイトルの「 モノづくり 」第2項目の『 安心・安全 』の4項目中、最後の第4項目である『 戸建に於ける最低限のセキュリティー。 』は分譲建売戸建づくり等に於いて最低限気配りをして戴きたい内容ですので実行して戴きたいと存じます。
 
今回も私が手がけました今迄の新規分譲マンションや建売戸建等の設計業務の経験に基づいた大切なお話です。準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの方々に『 戸建に於ける最低限のセキュリティー。 』が如何に大切であるかという事を理解して戴き、詳しく具体的に御説明させて戴きます。
 
毎回、度々申し上げて戴いていますが、私は2000年に体調を崩し大手設計事務所である「 (株)東急設計コンサルタント 」の設計部長を自ら辞し退職致しました。その後、約2年間体調の回復を兼ねて、多くの分譲マンション、分譲戸建や戸建団地を見学致しました。
 
そして2002年に現在の「 碓井建築オフィス 」を設立致しました。「 碓井建築オフィス 」設立後は十数社の準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの分譲マンション、建売戸建や戸建団地等の商品企画のコンサルティングや設計監修を数多く行ってきております。ちなみに「(株)東急設計コンサルタント 」在籍中にもアルバイトで30数邸の注文戸建住宅の設計及び工事監理を致しましたので戸建にも精通しております。
 
また、今迄マンション関係の本を9冊上梓致しました。来月( 3月 )には、またエクスナレッジ社より、分り易い絵を主にしたマンションに関する本を出版致します予定です。
 
「 碓井建築オフィス 」では更に、購入者向けに分譲マンションや分譲戸建の「 購入相談 」「現地同行チェック」や「 内覧会同行チェック 」をも行っています。これらの業務に依っても購入予定者や購入者の生の声を沢山聞いており、このコラムにおおいに反映させて戴いております。
 
これらの業務や経験を踏まえて申し上げたい事は、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーは、これからは絶対に『 製販一体 』の体制で分譲マンションや分譲戸建の商品企画業務を遂行して戴き、今回の『 戸建に於ける最低限のセキュリティー。 』の内容を販売する商品に反映して欲しいと望んでいます。
 
今回の「 モノづくり 」の第2項目の『 安心・安全 』4項目最後の第4項目である『戸建に於ける最低限のセキュリティー。 』を配慮し、設置する事は分譲戸建や分譲戸建団地を商品化する上では、大変重要で参考になる事です。
 
前回、前々回も申し上げましたが、我国は近年、収入の2極分化がどんどん顕著になった為に治安がかなり悪くなり、セキュリティーの重要さが一般の方々にも浸透してきておりますので最低限のセキュリティーの設置は不可避です。
 
ですので売主の方々は購入者に如何にセキュリティーの高い『 安心・安全 』な住まいを供給するかを今後、細やかに検討する事が不可欠になると確信しております。
 
マンションを戸建と比較致しますと、マンションの大きなメリットはスケールメリットを生かしたセキュリティーが充実している事です。
 
それに比べますと戸建のセキュリティーへの配慮は未だに不完全です。前回では『 マンションに於ける最低限のセキュリティー。 』の御説明を致しましたが、今回の『 戸建に於ける最低限のセキュリティー。 』では戸建もマンションの最低限程度のセキュリティーの配慮を致しませんと『 安心・安全 』に住む事ができませんので、セキュリティーに拘る設備の最低限の充実が不可欠なのでその事を申し上げます。
 
まずは分譲戸建に於いて最低限、安全・安心に居住可能にする為には外部侵入者やストーカー等が戸建の敷地に侵入できない様にする設備等が不可欠です。
 
では、戸建の敷地内に外部侵入者が侵入不可能にする設備等を具体的に御説明致します。
 
それは、どの様な広さの敷地規模の戸建でありましても敷地境界線や道路境界線の直ぐ脇に高さ1.8メートル以上の可視可能な塀又はフェンスを設置する事が一番重要です。
 
そして同じ高さの門扉を設置し、鍵は「 ホテル鍵形式 」にし、敷地内の門から外部に出る時は自動的に施錠され、外部から門の鍵を開錠する時は「 テンキー 」( 暗証番号を押すと開錠 )か「 タッチキー 」( 鍵を触れると開錠 )の設備を設置し、更に外部侵入者等が鍵を壊そうと致しましたらセンサーが感知して約1分程度、赤色回転灯が点灯し、サイレンが大きな音で鳴る様にすれば良いのです。
 
尚、戸建の場合ほとんどは車庫付きですので車庫の扉は電動式のシャッターを設置し車より無線機で開く様にする事です。そして門扉と同じくシャッターにセンサーを設置し、外部侵入者等がむりに開けようとした場合、センサーが感知して約1分程度、赤色回転灯が点灯し、サイレンが大きな音で鳴る様にすれば良いのです。戸建地域は閑静ですので外部侵入者等はサイレンの音に恐れをなして、セキュリティー設備の無い戸建の方で犯罪を犯す様です。
 
前回のマンションの最低限のセキュリティー設備と同様に、私の経験では、この設備はかなり外部侵入者等には効果が有ります。ちなみに警備会社の警備員が到着するのはセンサーが感知してから25分以内となっていますが、私の方法では外部侵入者は直ぐに逃げてしまいますので、少ない費用で効果は大きいのです。
 
戸建団地の場合、海外では戸建団地敷地周囲に高さ7フィート( 約2.1m )の塀を建てて、戸建団地の入口に遮断機( 鉄道の踏み切りの様な物 )とポリスボックスの様な屋根付きの警備員詰め所を設置し、24時間警備員は拳銃を携帯してガードしています。
 
ちなみに、日本では戸建団地入口に遮断機等の設置や銃携帯の警備員の配置は違法行為になりますので残念ですができません。
 
今回の戸建に於ける最低限のセキュリティー設備も同業他社物件と差別化できますし、販売時のセールストークにも寄与致しますし、信用も上がり、「 ブランディング形成 」にもなっていくのです。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの会社の分譲戸建物件はセキュリティー設備をほとんど行っていないのが現状です。しかし、今後は上記の設備は最低限必要ではないかと思います。
 
何度も申し上げています様に、不動産事業で一番大切なのは売主の信用の継続です。信用を落とすのは一瞬ですが、再度築くには最低10年はかかります。この事は肝に銘じて下さい。
 
次回からはフェーズ8の「 モノづくり 」第3項目の『 ソフト面やハード面 』13項目中の第1項目である『 典型的な住戸プランは「田の字型」住戸で2種類ある。 』に関してのお話を致します。
 
次回も期待して戴ければ幸いと存じます。                           以上。

   


 


                                                                                                                 
                                                                                                                                   

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