今回は前回と同じフェーズ8の「 モノづくり 」第2項目の『 安心・安全 』4項目の第1項目である『 マンションは戸建に比べてセキュリティーが良い。 』に関してのお話を致します。
前回はフェーズ8の「 モノづくり 」の『 モデルルーム、モデルハウスのポイント 』4項目の中の最後の第4項目である『 モデルルームやモデルハウス完成直後に「 検討会 」を行い是正修正工事終了後に、オープンする事。 』に関してのお話を致しました。
「 モノづくり 」の『 モデルルーム、モデルハウスのポイント 』で4番目に重要なのは『 モデルルームやモデルハウス完成直後に「 検討会 」を行い是正修正工事終了後に、オープンする事。 』です。
前回のおさらいを致しますと「 モノづくり 」の重要な事は「 分譲戸建団地 」や「 ハウジングパーク 」に参りまして、モデルルームやモデルハウスを個人見学や「 現地同行チェック 」で購入予定者と行きますと、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの物件に於いて多い事例は、顧客に対する細かい配慮が欠けた物件がかなり見受けられる事なのです。私はモデルルームやモデルハウスの竣工後に、売主の社員、販売会社の販売担当者や設計者及び建設会社が顧客の立場に立って細かく「 検討会 」を行なったのか否かを疑問視してしまう物件が多く、ナカナカお奨めできる物件が少なくなっている事をディベロッパーの方々に御報告致します。
そこで前回のコラムでは『 モデルルームやモデルハウス完成直後に「 検討会 」を行い是正修正工事終了後に、オープンする事。 』の中でモデルルームやモデルハウスの最重要チェック項目10項目中の上位3項目を御説明致しました。その上位3項目を再度下記に記しましたので御覧下さい。
第1項目の検討不足箇所は、キッチンの水栓( カラン )の首振り角度のチェックです
第2項目の検討不足箇所は、住戸内分電盤内のブレーカーの高さが女性( 主婦 )の手が届く高さになっているか否かのチェックです。
第3項目の検討不足箇所は、住戸内洗濯機置き場の位置の明るさが充分か否かのチェックです。
モデルルームやモデルハウスを竣工いたしましたら、この上位3項目は必ずチェックする事です。尚、残りのチェック7項目を御知りになりたい方は、今年(2013年)3月に「 日本実業出版社 」より上梓致しました私の本『 建築・設計のプロが教える 「良識あるマンション」の見分け方・選び方 』の74ページを御覧下さい。
さて、前回と同様に今回も建築家の私が最も得意とする「 モノづくり 」の「 こだわり 」についてのお話になります。
このコラムで、いつも申し上げていますが、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーにとってはこれから分譲予定物件の「 モノづくり 」はとても重要で、細かい所に配慮が行き届いた良い商品を作り続けますと、売主の会社の信用が高まり不動産業界で有名な「 ブランド 」形成につながります。
その様になる為にも、今回のタイトルも「 モノづくり 」の第2項目の『 安心・安全 』4項目の第1項目である『 マンションは戸建に比べてセキュリティーが良い。 』に関してのお話を致します。
今回も私が手がけました今迄の新規分譲マンションや建売戸建等の設計業務の経験に基づいた大切なお話です。準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの方々に『 マンションは戸建に比べてセキュリティーが良い。 』の重要さを具体的に御説明させて戴きます。
毎回、申し上げていますが、私は2000年に体調を崩し「 東急設計コンサルタント 」の設計部長を辞し退職致しました。その後、2002年に「 碓井建築オフィス 」を設立し、現在までに十数社の準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの分譲マンション、建売戸建や戸建団地等の商品企画のコンサルティングや設計監修を数多く行っています。
また、購入者向けに「 購入相談 」「現地同行チェック」や「 内覧会同行チェック 」も行っていますので購入予定者や購入者の生の声を沢山聞いており、このコラムに反映させております。
これらの業務や経験を踏まえて、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの商品企画部門のメンバーの方々に申し上げたいのは、今回の『 マンションは戸建に比べてセキュリティーが良い。 』もこれから販売する商品にかかわる重要な事柄です。商品企画部門のメンバーの方々のみでなく販売担当の方々にも是非御読み戴き、商品企画会議に出席し意見交換をして戴く大切な内容です。
今回の「 モノづくり 」の第2項目の『 安心・安全 』4項目の第1項目である『 マンションは戸建に比べてセキュリティーが良い。 』という事は、マンションや戸建を商品企画し分譲する上では、重要な事ですのでこれから具体的に御説明致します。
我国もだいぶ治安が悪くなり、セキュリティーの大切さが一般の方々にも浸透してきております。
マンションと戸建を比較致して言えますのは、戸建に比べますとマンションの良さの1番はセキュリティーが良い事です。マンションは戸建と違いスケールメリットが有りますので、セキュリティー関連の設備が充実できます。そして住戸数が多ければ多い程管理人の居る時間が長くなります。
具体的な細かい御説明は次回このコラム第51回の『 セキュリティーの高さはスケールメリットや管理費の価格に比例して高くなる。 』で申し上げます。
最近、分譲されています、一般的なマンションはエントランスのオートロックで入館者を規制し、更に管理人がいる場合は管理人が目視でチェックし、セキュリティーをしております。
そのセキュリティーを突破して泥棒等が入館し、住戸内に入ろうと致しますと、玄関扉や窓のセンサーが感知致しまして、管理人室の警報盤に信号を送り、管理人が居る場合は直ぐにセンサーが感知した住戸に駆けつけてとり押さえる様になっています。
また、住戸玄関扉の鍵はダブルになっていまして、とてもバール等では開けられない構造になっています。
屋外廊下に面した部屋の窓の外側は全て、面格子が設置されていますので、面格子を外すか壊さないと、窓からの泥棒等の侵入は不可能です。
そして、共用部分の駐輪場や駐車場等の死角のエリアには監視カメラが設置されていますので、セキュリティーのツールの一助になっています。
以上がマンションの最新の最低限のセキュリティー設備の概要です。
では、最新の良い分譲戸建のセキュリティー設備がどの様になっているかを大雑把に御説明致します。
まず、1階の玄関扉や窓等の開口部分にはセンサーを設置し、住人が出かける前にセット致しますと、泥棒等が窓等を開けますと、センサーが感知し、道路側外壁に設置されたベルが、けたたましく鳴り、更に玄関扉周辺に設置された黄色の警告灯が点滅し、周囲の住宅に異常
を知らせます。警備会社と住民が契約致しますとセンサーが感知した信号を警備会社のセンターに通報が行き25分以内に警備員が到着します。
分譲戸建の最低限のセキュリティー設備は以上です。
私は分譲戸建の場合は更に敷地周囲には高さ2m以上の塀かネットフェンスと門扉の設置をされた方が良いと思います。
そして、同じ高さの門扉にはIDカードかノンタッチキーを触れると解錠する鍵を設置し、車庫の前には、車の中から無線で開く電動のリンググリルシャッターを設置すれば、万全です。ちなみに3年前に友人の家の設計をしました時にその様に致しました。
尚、警備会社のシールが貼ってあるだけで、敷地周囲のセキュリティーの設備を設置致しませんと、かえって空き巣がねらっているそうです。理由は警備会社と契約し、門や玄関付近に警備会社のシールが貼ってあるので、住人が出かける時の戸締りが甘いからだそうです。
最近の泥棒や空き巣はお金だけで無く、パソコン等も盗むそうなので要注意です。最も悪い泥棒等は金目のものを盗んだ後に放火して逃げる事が多々有るそうなので、戸建のセキュリティー設備の配慮は万全に行なって下さい。
以上が今回の『 マンションは戸建に比べてセキュリティーが良い。 』の御説明です。
毎回、申し上げていますが、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーのほとんどの会社の分譲戸建には、そこまでの気遣いが無いので、この様な配慮を致しますと同業他社との差別化が図れますし、売主の信用が増し更に良い「 ブランド 」が形成されていくと思います。
不動産事業で一番大切なのは売主の信用です。信用を落とすのは一瞬ですが、再度築くには最低10年はかかります。この事は肝に銘じて下さい。
次回は先程も申し上げました様に今回と同じフェーズ8の「 モノづくり 」第2項目の『 安心・安全 』4項目の第2項目である『 セキュリティーの高さはスケールメリットや管理費の価格に比例して高くなる。 』で特にマンションのスケールに依ってセキュリティーの高さが異なる事に関してのお話を致します。
次回も期待して戴ければ幸いと存じます。
以 上。