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不動産

第79回 キッチン流し台形状の良し悪し。(I型、L字型、コの字型)

売れる住宅を創る 100の視点

今回は前回と同じフェーズ8の「 モノづくり 」です。その第4項目の『 ハード面の重視 』25項目中の第13項目である『 キッチン流し台形状の良し悪し。( I型、L字型、コの字型)  』に関してのお話を致します。

 
前回はフェーズ8の「 モノづくり 」に於いて、住まいの『 ハード面の重視 』の大切さを認識して戴く目的でこのコラムに於いて25項目用意致しました中の、第12項目『 キッチン動線は多い方が使い易い。 』の御説明を致しました。
 
今回は分譲マンションのソフト及びハード面の良し悪しに依って特に売主の会社の「 モノづくり 」に対する姿勢が問われています。
 
そこで、今回は分譲マンションや建売戸建の居住者である主婦( 主夫 )にとってとても大切なキッチン流し台形状への配慮に関するお話で『 キッチン流し台形状の良し悪し。( I型、L字型、コの字型)   』を皆様に詳しく御説明致します。
 
さて、今回も建築家として、私が最も得意とする「 モノづくり 」におけるソフト面やハード面に於ける大切な「 こだわり 」の御説明であります。
 
今回も、分譲マンションや建売戸建の住戸への「 モノづくり 」に対する「 こだわり 」に於いて売主が入居者( 購入者 )サイドに立った商品を製造・販売しているか否かが、購入者にとって大変大きな判断基準になります。
 
そして、分譲マンションや建売戸建住宅の購入決定者はほとんどが奥様なので、私の今迄の分譲マンションや建売戸建住戸の設計等の経験を通して御説明を致します。
 
いつも、このコラムで、申し上げていますが、この処の準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの傾向を見ますと、良い商品を作って分譲している良心的なディベロッパーと、販売力の強さや数字のみに頼って分譲マンションや建売戸建等を企画・販売していますディベロッパーとの「 2極分化 」の質の違いがかなり顕著になっております。
 
現在、販売力の強さと数字のみに頼って販売しているディベロッパーに於いては、かなりの苦戦を強いられ、その結果売れずに竣工後1年以上の在庫住戸が多いのが現状です。
 
更に、不動産業界は益々資本主義の原点である「 弱肉強食 」的傾向が強くなり「 超大手、大手ディベロッパーの寡占化 」がどんどん進み、その結果、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーが超大手ディベロッパーに吸収合併されております。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーが、これら将来にわたりそれらの超大手や大手の会社に対し、独立独歩で対峙し勝負するには、分譲予定物件の「 モノづくり 」にはトコトン「 こだわり 」や「 誠意 」を必ず持って商品を作る事がとても大切だと思います。
 
また、その様な分譲マンションを供給しなければ生き残れないでしょう。その様な社風にすれば顧客が売主の「 こだわり 」や「 誠意 」を敏感に感じとり購入意欲が湧きます。
 
そして入居後も顧客が満足のいく、クレームの起きない良い商品を作る事で知名度も上がります。
 
例え万が一、クレームが起きましても迅速に誠実に対応すれば「 雨降って地固まる 」で誠意や信用度が回復できます。
 
誠意が感じられ入居後もクレームの起きない良い商品を作り続ける事に依って潜在顧客の信頼を勝ち取れるのです。
 
その結果、不動産業界や一般社会に於いて良い評判を立てる事ができ、生き残れる道です。
 
これらの事を継続されていれば、自ずと会社の信用度が高まり「 ブランディング形成 」( ブランドを高める事 )に結びつき「  超大手、大手ディベの寡占化  」に楔( くさび )が打てます。
 
準大手ディベや中堅ディベが、 超大手、大手ディベに対峙し対等に勝負できる良い会社になると私は確信しています。
 
そして、今回御説明致します『 キッチン流し台形状の良し悪し。( I型、L字型、コの字型)  』を御覧戴いて、新規分譲マンションや建売戸建等の商品企画時点で住戸プランに反映されれば、魅力的で同業他社物件と差別化された良い商品になります。
 
この様な商品を作り続けていけば、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーは不動産業界だけでなく、一般の社会に於いて会社名や「 ブランド 」名の知名度も上がり販売におおいに寄与すると確信致しております。
 
ですので、今回の私のコラム79号『 キッチン流し台形状の良し悪し。( I型、L字型、コの字型)  』を参考にされて「 モノづくり 」を継続する事が、不動産業界の中で超大手や大手ディベロッパーと同様、又はそれ以上に世間は評価すると思います。
 
それでこそ、準大手や中堅ディベロッパーが生き残れる唯一の道だと私は確信しております。
 
「 継続は力なり 」です。そして常に事業主の会社は、いつも申し上げていますが「 誠実に勝る近道無し 」を心がけて戴きたいものです。
 
その様になる為にも、今回のタイトルの「 モノづくり 」第4項目の『 ハード面の重視 』25項目中の第13項目であります『 キッチン流し台形状の良し悪し。( I型、L字型、コの字型)  』の内容は分譲マンショの商品企画・基本計画段階で取り入れて戴ければ、住戸キッチンの良し悪しに関しての判断基準となると信じております。
 
特に今回の内容はソフト面及びハード面ですが、潜在顧客の売主評価に多いにつながる事ですのでとても大切な事柄なのです。
 
手前味噌になりますが、今回も私が今迄約30年以上手がけました、新規建売戸建や新規分譲マンション等の設計業務、工事監理業務や設計監修の経験に基づいた大変貴重なお話なのです。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの方々はこれから進める、分譲マンションや建売戸建等の商品企画・基本計画時点に於いて、今回のコラム79号の内容を良く理解し、新規分譲マンションや建売戸建等に取り入れて下さい。
 
特に、今回のコラム内容は分譲マンションの購入者( 入居者 )の奥様( 女性 )が購入を決定する事におおいにつながるお話しです。
 
ほとんどの分譲マンションや建売戸建等の売れ行きは、ディベロッパーや設計者が企画した住戸プランの中の台所及びキッチン形状が主婦層に支持されるか否かで決まります。
 
そして、これも常に申し上げていますが、建売戸建や分譲マンションの計画時点で実行して戴きたい事が有ります。私が今までの設計業務や設計監修業務の経験を踏まえて申し上げたい事は、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーは、絶対に『 製販一体 』の体制で商品企画を行う事です。
 
建売戸建や分譲マンション等の商品企画会議では製造部門と販売部門が一体になって戴きたい事です。その理由は販売部門が顧客の生の声を商品企画会議で発言し製造部門に伝え、その内容が良ければどんどん商品企画や商品内容等に反映できるからなのです。
 
更に、今回の『 キッチン流し台形状の良し悪し。( I型、L字型、コの字型)  』の良さが具体的に販売部隊の方々も良く理解できますので、顧客に対して自信を持って住戸プランの良さを説明できるからなのです。
 
前置きがいつも長くて申し訳ございません。さて、今回は住戸プランに於いて主婦層への配慮に関する『 キッチン流し台形状の良し悪し。( I型、L字型、コの字型)  』をこれから具体的に御説明致します。
 
キッチン(流し台)形状には3タイプ有ります。「 I字型キッチン 」「 L字型キッチン 」と「 コの字型キッチン 」です。
 
一般的なファミリーマンションで採用されているのが横長1列で長さ( 幅 )が2.3m~2.7mの「 I字型キッチン 」です。
 
チョット高価なマンションで採用されていますのが「 L字型キッチン 」です。更に高価なマンションで採用されていますのが「 コの字型キッチン 」です。
 
「 L字型キッチン 」は読んで字の如くキッチンセットがL字型に折れ曲がっています。その折れ曲がっている所の箱の収納が非常に使い辛く、デッドスペース( 使え無い場所 )になっているのです。
 
上部の吊り戸棚も同様にL字型になっていますので、やはり折れ曲がり部分の箱の収納の出し入れが困難なのです。
 
先日見ました「 L字型キッチン 」を採用された物件ではカウンター板( 天板 )はL字状になっていましたが、この折れ曲がり部分のキッチンセット下の箱がL字型に作成しておらずにI字型のキッチンセットの箱を直角に接続し設置してあったのです。
 
LD側に向いているキッチンセットの箱は端の壁までいっているのですが壁に向いているキッチンセットの箱はLDに向いているキッチンセットの箱にぶつけているのです。
 
ここで何が問題かと言いますと、LDに向いているキッチンセットの箱の中の可動棚板の可動が不可能に近いのです。LDに向いているキッチンセットの箱の端から手前へ65センチ部分は、壁に向いているキッチンセットの箱に塞がれているからなのです。
 
僅か幅が30センチ強の扉を開け、そこから体を入れて65センチ奥のダボ( 棚板受け金物 )の位置を移動しなければ棚板の高さを変更できません。私が試しに棚板の高さの変更を行なってみましたができませんでした。
 
更にそのLDに向いているキッチンセットの箱の中の端部(壁側)に物を収納したら一生取り出せません。
 
吊り戸棚も全く同じです。L字型の折れ曲がり部分の箱の納まりが同様なので、ここも端部に収納した物は一生取り出せません。
 
「 L字型キッチン 」や「 コの字型キッチン 」の折れ曲がり部分は箱の形状をL字型に作成し、そこに円盤状の回転棚を設置するのが通常です。それでも円盤の外側の空間は何も物が置けずにデッドスペースになります。
 
先程、御説明した様な「 L字型キッチン 」に何の疑問も持たずに商品企画し、設計及び施工する設計事務所、ゼネコンや売主は入居者( 購入者 )に対して配慮不足なのです。
 
更に「 L字型キッチン 」や「 コの字型キッチン 」の台所のスペースは広くなります。しかし、冷蔵庫が置けるスペースのみの確保しかできません。
 
入居者( 購入者 )が入居後に通常の大きさの食器棚( 1m20cm×45センチ )を「 L字型キッチン 」や「 コの字型キッチン 」の台所内に配置しようとしても不可能な事例が多いのです。
 
「 L字型キッチン 」や「 コの字型キッチン 」は豪華で見栄えは良いのです。
 
しかしディメリットが多いのが現実です。良心的なディベロッパーは商品企画時点で「 L字型キッチン 」や「 コの字型キッチン 」は工事費も高いので採用は見送った方が賢明です。
 
ちなみに、最近「 億ション 」( 全ての住戸価格が1億円超 )を計画される際に「 L字型キッチン 」や「 コの字型キッチン 」を台所に採用しているケースが多いのですが、この場合台所のスペースは最低でも約5帖( 約8平米 )必要です。
 
そのくらいの広さが有りませんと、私の経験では台所に冷蔵庫や食器棚の配置ができません。
 
それならば台所の広さをもっと広げて約6帖強( 約10平米 )以上にし、軽食が食べられるダイニングスペースを付加して「 ファミリーキッチン 」にされた方が良いと思います。
 
欧米のコンドミニアム( 分譲アパートメント )ではかなり採用されています。
 
この様な配慮が同業他社との競合に於いて、勝ち抜ける顧客への配慮なのです。
 
今回のコラムでは『 キッチン流し台形状の良し悪し。( I型、L字型、コの字型)   』の御説明を致しましたが、この事は分譲マンションや建売戸建等を企画する上でとても重要で大切な事ですので、是非共参考にして戴きたいと存じます。
 
超大手や大手ディベロッパーだけが一流とは限らないと常に私は言っております。
 
私の独断で申し上げれば、建築的価値観では一流と評価できますディベロッパーは数社しか有りません。ほとんどが三流なのです。
 
一流のディベロッパーは常に購入者( 入居者 )への配慮が行き届いた分譲マンションや建売戸建等を供給しています。
 
何度も申し上げています様に、不動産の分譲事業で一番大切なのは売主の信用と顧客に対する配慮です。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーにとって「 超大手、大手ディベロッパーの寡占化 」に対抗し勝つ為には顧客への気遣いや配慮及び将来クレームが生じないマンションを作り続ける事なのです。
 
ですので、毎回何度も注意を促していますが、商品内容の質やクレーム等で信用を落とすのは一瞬ですが、再度信用を築くには最低10年はかかります。この事もよく肝に銘じて下さい。
 
次回はフェーズ8の「 モノづくり 」第4項目の『 ハード面の重視 』25項目中の第14項目である『 コンロはガスが良い。 』に関してのお話を致します。
 
次回の内容も期待して戴ければ幸いと存じます。
 
 
 
以上。

 
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