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人間学・古典

第二十六話 「難によりて材をあらわす」

中国哲学に学ぶ 不況は会社守成の好機

“難によりてすなわち材をあらわし、とどまらざれば将に得ることあらん。”

困難にぶつかって才能を表して事を行う。それを続けるなら必ず良い結果が得られる”

北宋の詩人欧陽脩(おうようしゅう)の文句だが、私がこの言葉を実際に思い浮かべたのは、
銀行の本部営業部長代理当時。終戦で復員して間もないある日、突然、経理担当常務から呼ばれた。
当時従業員中の切れ者と言われた常務。何事ならんと緊張して出向いた。予期に反して
にこやかにこう話し出した。今度、銀行、企業の健全化のための法律が出る。

国家、企業の健全化の荒療治といえるものだ。当行も例外ではない。不良貸出を一掃するため、
減資、預金の切り捨ても避けられないほどのものになるだろう。ついては、この仕事を井原君、
君にやってもらうことにしたから、そのつもりで。私のためらっている姿に活を入れるように
“君ならできる”と言葉を強めた。これに答えるように頭に浮かんだのは首記の文句だった。
“人のやらないことをやれ”という歌は当時なかったが、学歴もなければ、後ろ盾もない一匹の野豚が
エリート連中に伍して一人歩きするには人の尻込みすることを成し遂げることによって
材を表すことに限ると思ったわけである。

この仕事は約三年で無事終了。終わって三ヵ月後には本部“証券課長”の辞令を頭取から手渡された。
その時、再び思い浮かべたのが首記の文句。

幾人かの先輩から“当行に井原という男がいることを知ったのは金融整備法”という
難関を突破した時だった。と。


※一部旧字を現代漢字に変更させていただいております。

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