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健康

第23回 「思い込みを壊す」

社長の「氣」

 何事を学ぶにも、「自分」というものが邪魔をしています。大きく分けると二つあります。一つは「自覚のある意識が総て」という思い込み、もう一つが「自分の認識が総て」という思い込みです。
 
 「自覚のある意識が総て」という思い込みは、先回も触れた通り、我々の行動の多くは無意識(自覚していない意識)から生じていることを理解していないために起きます。失敗をした人が自分の非を認めないのは、自覚のある意識で「失敗しよう」とは思っていないからです。実際には、自覚していない意識に失敗に直結する「何か」があったわけで、その無意識が失敗という形になって表れています。
 
 自覚のある意識だけが総てと捉えているうちは、非を認められないのです。文字通り「自覚がない」状態です。それを改めない限り、形を変えて同じ失敗を何度でも繰り返すことになります。
 
 大事な約束に遅れた人がいました。本人は一応謝りますが「電車が遅れました」と言って自分の非は認めません。遅れたのは自分のせいではなく電車のせい、ということなのでしょう。本人も大事な約束であるのは分かっていました。詳しく話を聞くと、いつもと同じ時間に自宅は出ていたものの、前の晩に旧友とばったり会って、深夜まで酒を酌み交わしたことを白状しました。用心して早めに自宅を出ることはしなかったわけです。
 
 大事な約束である「意識」はあっても、「無意識」のうちにどちらが優先されたかです。本人がそれに氣づけば、大事な約束に遅れることはなくなります。
 
 もう一つの「自分の認識が総て」という思い込みは、誰もが持っています。そもそも自分の認識を信用出来なくなったら、不安で生きて行くことも難しいでしょう。それでも、自分の認識が総てではありません。
 
 最も身近な例で言えば、行きつけのレストランで食事をして美味しく感じなかったとします。「この店は味が落ちた」「今日の料理はまずい」と決めつけるのは早計で、もしかすると自分の体調が悪いだけかもしれません。自分の感じ方は日々変化していることを忘れてしまうと、「自分の認識が総て」という誤りに陥ります。
 
 山に登るとき、自分がいる位置によって視界は常に変化します。山頂にいる人は、天候が良ければ遠くの山々まで見える開けた視界を得ていることでしょう。一方で、山麓にいる人は、豊かな木々に囲まれているかもしれません。山頂だから偉く、山麓だから偉くない、というわけではありません。立ち位置によってそれぞれの視界があるということです。
 
 しかし、自分の視界が総てだと、他の人に見えているものが異なることを全く理解出来ません。そして、自分の視界を押しつけてしまうのです。
 
 社長やリーダーは、その立場にあるからこそ、その視点を持っています。フォロワーであれば、その立場にあるからこそ、その視点を持っています。お互いに、自分の視点で見るうちは相手のことを全く理解出来ません。そのため「相手の立場に立つ(相手の視界を知る)」ことが求められるのです。
 
 一般的に、山頂にいる人は山麓を通って来ているので、その経験から山麓にいる人の立場に立ちやすいものです。山麓にいる人は、未経験の山頂のことを想像でしか知り得ません。山頂にいる人の立場には立ちにくいのです。したがって、相手の立場に立つべきは、フォロワーではなく社長やリーダーの側にあります。
 
 内弟子修行においても、「自分」というものが邪魔をします。そのため、修行が始まると師匠や諸先輩から徹底的にこの二つの思い込みを壊されます。この間はとても辛いのですが、振り返ってみると「学ぶ」上で最も重要でした。
 
 大変残念なことに、いくら厳しく教育しても、本人が自ら取り組む氣にならなければ効果はありません。自ら取り組む者には、まずこの二つの思い込みを壊すことから始めるのが「身につける」上での最短の道なのです。これも「学び方を学ぶ」一つです。
 
 

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