帳簿書類が手元からなくなる心理的不安
最も大きなデジタル化の障壁は、経理社員の紙書類への依存です。
長年、紙の書類で業務をしてきた経理担当者にとって、デジタルツールへの切り替えに対する抵抗感は根強いようです。
仕事の習慣を変えるのは難しく、必要な資料が手元からなくなるのは不安です。
例えば、「紙の請求書のほうが目で確認しやすい」「電子データは紛失や改ざんのリスクがある」といった理由で、紙の書類を手放せないケースが多く見られます。
また、新しいシステムや作業方式に慣れるまでに時間がかかり、業務内容の変更によるミスやエラーの発生が心配されます。
新しいシステムの導入には移行や学習が必要であり、これが従業員の負担となることから、デジタル化の進展が遅れる要因となっています。
一部の社員には、自分の仕事がなくなることに不安を感じている人もいます。
デジタルツールの導入により、これまでの事務作業が自動化すると、経理担当者の仕事が不要になり、自分の存在意義が失われてしまうからです。
しかし、社長としては、今後の人件費の高騰や人手不足の問題に対処するために、デジタル化の推進は不可欠です。
このような課題に対応するには、経理社員向けの研修を充実させ、デジタルツールの利便性を実感してもらうことが重要です。
段階的にデジタル化を進めることで、従業員の負担を軽減しながら変革を推進することが望ましいでしょう。
いつまで紙書類作業のために高い人件費を払い続けますか?