月次決算で見るべき自己資本比率のポイント

月次決算では、損益計算書で業績を確認した後、貸借対照表の純資産の合計額とその隣に表示される総資本の構成比率(=自己資本比率)を検証するのを習慣にします。
自己資本比率は、月次での変動が小さい指標ですので、変化があったときは、必ずその原因を確認しておきましょう。
もし自己資本比率が低下している場合、次のようなことが考えられます。
赤字の場合、損失の分だけ利益剰余金が減少していますので、業績の悪化がどの程度経営の安定度にダメージを与えるのかを把握しましょう。
運転資金や設備資金のために新たな銀行借り入れをした場合も、負債が増えた分だけ総資本が増加するので、自己資本比率が一時的に低下します。
将来的な収益増加によって、いつまでに自己資本比率を回復させるかを予測して、計画しておきましょう。
金融機関からの融資により資金(他人資本)を得て、先行投資をして資産が増えた場合、資金の運用先である資産の内容を点検します。
在庫や売掛金が想定以上に増加しているときは、資金回収が遅れると借入金や買掛金の支払いが滞り、自己資本比率は悪化傾向をたどるので、注意が必要です。
また、製造業などでは定期的に設備投資が必要なため、その分、固定資産と借入金が膨らむ傾向にあるので、自己資本比率を見ながら慎重な投資判断が重要になります。
業績が黒字でも、増加した資産の質や負債とのバランスが崩れ始めていることがあるので、自己資本比率を月次で定期的に点検するようにしてください。
最近3ヵ月で自己資本比率に変化はありましたか?























