menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

税務・会計

第121回 自己資本比率に注目して安定経営を目指す

賢い社長の「経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」

会社の安全性は自己資本比率で評価される

中小企業は、大企業と違い財務基盤が不安定なので、業績が黒字だからといって、安心していると危険です。

社長としては、毎月の損益計算書だけではなく、貸借対照表で財務状態を必ず点検するようにしましょう。

貸借対照表は月次の金額ベースでは、あまり大きな変動がないので、全体の財務バランスを比率で捉えるようにします。

財務バランスの安全性をチェックするときに使う指標が、「自己資本比率」です。

資金調達の健全性や財務の安定性を示すこの数値は、金融機関からの融資判断や取引先からの信用評価にも直結します。

そこで今回は、自己資本比率による安全性の管理の仕方について、説明します。

 

経営が安定していると自信を持って言えますか?

 

自己資本比率の標準的な評価基準と中小企業の平均値

会社が事業活動をするための元手(資本)は、自己資本と他人資本の2つに分けられます。

自己資本は、株主からの出資金や利益の蓄積である利益剰余金などで構成され、貸借対照表の純資産として表示されます。

これに対し、借入金や買掛金などの負債は、返済義務のある他人資本です。

自己資本比率とは、総資産(総資本=自己資本+他人資本)に占める自己資本の割合を示す指標で、計算式は次のとおりです。

 

自己資本比率 = 自己資本(純資産) ÷ 総資産(総資本) × 100(%)

 

自己資本比率の一般的な評価基準は、次の通りです:

50%以上:優良

30~50%:健全

10~30%:普通

10%未満:危険

 

自己資本比率が高いほど、返済が必要な債務が少ないため、財務体質が安定していると言えます。

 

中小企業では、通常30%以上を維持することが望ましいとされています。

中小企業の自己資本比率の平均は、20%~30%程度です。

自己資本比率が10%未満だと、将来的に事業継続が困難になるのではないかと、金融機関などから心配されることもあるので注意しましょう。

 

中小企業の自己資本比率は、大企業と比較すると低い傾向にあります。

これは中小企業が成長途上にあるため利益の蓄積が不十分であり、そのため、事業に必要な資金を金融機関からの借入金に頼るケースが多いことが影響しています。

 

現在の自己資本比率は健全な状態ですか?

次のページ

1

2 3 4

第120回 社長は貸借対照表を流動比率から読み解く前のページ

第122回 銀行借入金の限度額を返済能力で計算する次のページ

JMCAおすすめ商品・サービスopen_in_new

関連セミナー・商品

  1. 月次決算は5日間で出せる!スターターキット

    月次決算は5日間で出せる!スターターキット

関連記事

  1. 第79回 インボイスを修正するときの注意点

  2. 第116回 社長が知っておくべきキャッシュフローの基礎と使い方

  3. 第115回 経理の新入社員と若手社員の育て方

最新の経営コラム

  1. 第50講 カスタマーハラスメント対策の実務策㊲『出るところに出る!』第2部

  2. 「展示会の見せ方・次の見どころ」(2025年12月)

  3. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2025年12月10日号)

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 経済・株式・資産

    第44回「オイルショック再来か?イラン核開発問題の進展にご注意を!!」
  2. 社員教育・営業

    第17号 〝ITソフトウェア業”のための全員営業の活用法【問題提起編...
  3. マネジメント

    国のかたち、組織のかたち(10) 万機公論に決すべし
  4. 愛読者通信

    「事業発展計画書」は事業繁栄の原動力牟田 學(日本経営合理化協会 会長)
  5. 税務・会計

    第4号 社長の蓄財と連結バランスシート
keyboard_arrow_up