2022年は「AI利用元年」だったのではないかと考えている。
サッカー・ワールドカップ・カタール大会では、ボール内蔵センサーやカメラ画像などを使ったAIによるVARシステムにより、オフサイド、ゴール、PKなど従来では論争になるような判定が明快になり、日本の試合では「三苫の1mm」を生んだし、ファンの暴動などの騒ぎも少なかった。
また、前回紹介した人間らしい自然な文章を書いてくれる「ChatGPT」は、インターネット検索で20年以上圧倒的に使われているGoogleの経営陣が、「検索ビジネスを根底から覆しかねないほどの技術革新をもたらすのではないか」という危惧を持つほどの衝撃をもたらしている。
8月に一般公開された画像生成AI「Stable Diffusion」は、文字で指示するだけで上質の画像を作り出し、その後このシステムを応用した楽曲生成AI「Riffusion」なども登場、誰でもAIを使って手軽にイラストや音楽を作り出せる時代が到来した。
AIは一般的には「Artificial Intelligence(人工知能)」の略語として使われているが、むしろ「Augmented intelligence(拡張知能)」として、人間の能力をサポートする使われ方が主流になってくると思っている。
■AIイラストメーカー
AIを使って写真などの画像をイラスト化するアプリも2022年は流行したが、中でも「Meitu(メイツ・美図)」という中国発のアプリが11月末に開始した「AIイラストメーカー」というAIが、イラスト画像を3種類出力してくれる新機能がtwitterなどで拡散し、利用者が急増している。
「Meitu」の12月以降の世界のダウンロード数を見ると、日本、アメリカ、ブラジル、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの国々で、AppleのApp Storeで最もダウンロードされたトップ3に入り、有料会員(月800円)も600万人に達している。
「Stable Diffusion」などの文字を画像に変換する画像生成AIに対して、「Meitu」は写真や手描きの絵をアニメ風イラストに変換するため、スマホユーザーには手軽で、驚きの変換などもあり話題となった。
運転をサポートする自動運転AI、受発注や倉庫の物流管理をサポートするAIなど、裏でAIがサポートするシステムが今後は当たり前のように使われると考えている。
======== DATA =========
●ビデオアシスタントレフェリー(VAR)とは、FIFA
http://www.jfa.jp/rule/var.html
●ChatGPT
http://chat.openai.com/chat
●楽曲生成AI・Riffusion
http://www.riffusion.com
●社長のめしの種4.0 第109回 画像生成AI
https://plus.jmca.jp/takashima4/takashima4-109.html
●Meitu
https://linktr.ee/meitu.jp
●Meituの公式HP
https://www.meitu.com/en
●Meitu(美図)株価
http://www.bloomberg.co.jp/quote/1357:HK