テスラのCEOとして有名なイーロン・マスク氏が440億ドルで買収して以来、いろいろな面で変化が激しい「twitter」は、昨年11月以降に公式マーク(Twitter Blue)をサブスクリプションに変更、Blue加入者の動画投稿を10分〜60分〜2時間に伸ばし、長文投稿を最大25,000字まで拡大、サービス名も7月24日に「twitter」から「X」に変更し、長らく使われていた鳥のアイコンも「X」という文字に変わった。
この「X」という名称は、イーロン・マスク氏のX Holdings社傘下の「X」という会社に統合されたことを意味しているが、宇宙開発企業に「SpaceX」とつけるなど、イーロン・マスク氏は「X」にはこだわりを持っているようだ。
イーロン・マスク氏は、「Twitterという名前は『140文字のメッセージが鳥のさえずり(tweet)のようにやりとりされるだけだった時代』には意味があったが、現在は『数時間の動画を含めたほぼあらゆるもの』を投稿できる別のアプリ」になっており、今後は多機能な「スーパーアプリ化」を目指すという。
しかし、15年かけて獲得した「twitter」というブランド価値の、40〜200億ドル(5,600〜2兆8,000億円)が失われたと見るアナリストもいる。
■Threads(スレッズ)とX
利用者が5日間で1億人を突破するロケットスタートを切り、「twitterの代替」として注目されたSNS「Threads(スレッズ)」は、利用者が1億5,000万人も突破したが、その後は急減している。
市場調査会社・Sensor Towerによると、1日当たりの利用者数は7月31日時点で初期から82%減少、毎日アプリを使う人は4,400万人をピークに今は800万人となっている。また、利用回数、時間も当初は1日平均14回アプリを起動し19分間画面を見ていたが、8月1日時点では平均1日2.6回、2.9分にまで減少している。市場調査会社Similarwebのデータでも、利用者は7月7日の4,900万人がピークで、7月29日は1,100万人まで減少している。
前回書いたように「Threads」利用者の急伸は「インスタグラム」との連携によるところが大きいが、「X(旧twitter)」と「インスタグラム」では、利用目的や利用者コミュニティの質が根本的に違っている。
私は両サービスとも開始当初から使っているが、その場の状況や感情をリアルタイムに共有したい「X(旧twitter)」と、写真や動画といったビジュアルを通して交流する「インスタグラム」は、同じ人が使っていても利用する場面は全く違う。
「X(旧twitter)」は今後も迷走しそうだが、「Threads(スレッズ)」を試してみた「インスタグラム」の利用者も離れていきそうだ。
======== DATA =========
●X(旧twitter)
https://twitter.com/
●Threads(スレッズ)
https://about.fb.com/ja/news/2023/07/threads_launch/
●インスタグラム
https://www.instagram.com