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戦略・戦術

第149号 1,000品目

社長のための“儲かる通販”戦略視点

 この数字は、特定保健用食品、いわゆるトクホの商品総数である。1991 年に承認制度がスタートし、第1号トクホが誕生したのが1993 年。日本健康・栄養食品協会では、制度開始から20 年近くが経過した今年5 月で、表示許可が現在も継続している商品は1,000 品目になったと発表している。

 このトクホ市場は、2007 年には7,000 億円規模にまで成長したが、その後、消費者庁が発足し、トクホ商品として大きな市場を形成していた、花王エコナの認可取り消し問題が発生。次第に、市場ではトクホに対する優位性が薄れていた。

 またここ数年、消費低迷の影響もあって、企業サイドもコストや取得期間の長さを問題視して、新規のトクホ取得に消極的となり、2011 年の市場規模は、ピークから2 割減まで落ち込んでいた。

 このような中、今年に入ってコーラトクホという斬新なヒット商品が久々に登場。市 場再活性化に向けた機運がにわかに高まっている。

 この商品は、今年4 月24 日にキリンビバレッジが発売した「キリンメッツコーラ」だ。食事の際に、脂肪吸収を抑えるトクホ市場初のコーラということで、巷ではかなり話題になっている。

 このような機能性を持つ商品は、すでにサントリー「黒烏龍茶」、ヤクルト「蕃爽麗 茶」、花王「ヘルシア緑茶」といったお茶飲料が先行しているが、健康イメージの根付いたお茶ではなく、炭酸飲料のコーラで脂肪吸収を抑制できるという意外性により、注目が集まっているようだ。

 また、480ml で150 円( 税抜き希望小売価格)と、トクホにしてはリーズナブルな価格設定になっていることも、人気の要因と言える。

 この糖類ゼロの「キリンメッツコーラ」は、ネーミングやパッケージデザインを見る と、トクホのお茶飲料と異なるターゲットを想定していることがわかる。

 実際、コカコーラゼロなどの商品に親しんでいる30~40 代の男性を中心に支持を得ており、発売後2 日間で「年間販売目標100 万ケースの5 割を突破」、2 週間後には「年間販売目標クリア」という、爆発的な売れ行きとなっている。

 この商品以外にも、伊藤園は体脂肪・コレステロールに対応した「カテキン緑茶・ 烏龍茶」を、アサヒ飲料は中性脂肪を抑制する「十六茶プラス」を、アートネイチャーは血中コレステロールを下げる「青汁」の販売を開始している。

 さらに、新規参入組の持田製薬、資生堂、日清オイリオグループなども、新規のトクホ商品を発売予定で、今年から来年にかけて、トクホ市場が拡大に転じる兆しを見せている。

 

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