レジャーを創造する時代である。心が癒されたり、真から楽しさを満喫する商売にビジネスチャンスが多い。
「楽しさをあなたに、それが私たちの願いです」をモットーに、楽しさのある空間を提供する事業を追求し、温浴施設からゲーム
センターまでの総合アミューズメント事業を展開しているのが静岡県焼津市に本拠地を置く株式会社焼津ミマツである。
同社は地元漁港の地の利を生かした日本料理店(創業は昭和35年)を皮切りに、健康温泉施設「黒潮温泉
焼津駅前健康センター」、続いてゲームセンター「アミューズメントシートピアYAZ」(9店)、ビデオレンタル店
「YAZワールド」(4店)、そのほか数店のレジャー施設を展開している。
中でも2005年5月に開業したスーパー銭湯「源泉 七光台温泉」(千葉県野田市)は
地元だけでなく東京からも日帰りの利用客が徐々に増え集客を伸ばしている。
「1周年を記念して『まぐろ祭り』をはじめ、定期的に手作りの集客イベントを展開しています。
利用者に喜んでもらええる手作り生ジュースコーナー を提供します。健康をキーワードに、
アイデアときめ細かいサービスを打ち出しながら、天然温泉で地域密着のくつろぎの場を目指します」と石間文博支配人。
同社の社是の一つが「創意と工夫」である。
増田康一社長(49歳)は「常にお客の立場で考えろ」「整理、整頓、清潔が一番」 を言い続けている。
仕事の中で「これは面白いんじゃないか」というヒントが沸いたら、即決即断の経営判断をする人が増田社長である。
また、常に新しい事業にも目を向けている。
中国で製造しているゲーム関連で使用している景品やぬいぐるみ、イスなど、自社でも
使っている商品を同業他社に販売するという物販事業にも今後力を入れる方向である。
また、独自でゲームセンターの無線売上管理システム「PAY-WAVE」を開発・販売している。
増田社長は趣味の一つが山登りで
「登山では厳しい自然(山)とどのように向き合っていくか、いつも知恵と工夫が要求されるが、経営も同じこと」と言い切る。
心を豊かにする総合アミューズメント事業に挑戦し続ける元気な会社である。
商売を成功させようと考えたら、「顧客に何ができるのか」「顧客の本当に欲しがっていることは何か」など、
自社の商品開発の原点を明確にして動き出すことである。
先が分かりにくい時代こそ、「モノは考えよう」という捉え方、視点が大事だ。
モノを考えたり、議論したりするときの三つの心得がある。
モノを目先で見るのと、長い目で見ることの両方がある。
結論が逆になってしまうこともある。
また、一面的に見るか、多面的に見るかである。
さらに、モノを枝葉末節で見るのと、根本的に見るのとの違いである。
乱気流のいま、三つの心得をもとに、的確に判断、認識することが重要である。
どういう状況でも「過去の経験や常識が通じないなら、
思い切ったことができるチャンス」と捉えられるプラスの発想が経営の舵取りで一番大事な考え方であ る。
上妻英夫