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第五十四話 「究極の顧客満足を目指す」(イワブチ)

社長の口ぐせ経営哲学

「究極の顧客満足を目指す」をうたい文句に挑戦する企業の一つが、東京都北区に本社を置く(株)イワブチ
同社は社員のモチベーショ ンを上げ、顧客に支持されるサービスを提供でき、実績も上がっている珍しい企業である。
東京ガスのサービス委託業務を主体に、ガス器具・風呂釜の修理販 売、水道・電気工事、住宅リフォームなどを行っている会社である。


地域密着型の企業である。既存の顧客を大事にしてリピートが取れるようにすることが営業課題の中心に置かれた。
まず始めたことは、有名な高級ホテルの 「ザ・リッツ・カールトン」のクレドのことを知り、これを導入することに決めた。
「クレド」とはラテン語で「信条」「信念」を意味する言葉である。


クレド作成は社員自らが関わった。代表が月1回集まり、1年かけた。
折り畳むと名刺より少し大きいぐらいの4つ折りの小さなカード。
「基本動作」「クレー ム対応」「イワブチ4」「経営理念」「スタッフへの約束」などが網羅されている。
社員はいつも持っていて、顧客にも手渡ししている。そのこと事体が、“お 客様満足主義”を意識し、顧客にも浸透している。
社内でのクレド効果は、すぐに現れた。


作成チームが作成しながら、モチベーションがあがったように、社員が使い始めて社員にも着実に効果を出し始めた。
クレド導入後、やる気になった社員からは いくつかのアイデアが出た。
「書き込みを誘うアンケートハガキ」「携帯電話を駆使したトラブル対処」「アフターフォローのための小冊子発行」など、
固定客に喜ばれるアイデアが次々に出て業績につながるという直接効果が出てきた。


同社の川嘉文社長「社員自身が満足を感じなければ、お客 様に満足を提供できない」という考えを持つ。
日々、現場で「俺は社員の満足を考える、だから、社員はお客様の満足を考えろ」と檄を 飛ばす。
また、「机上のプランは要らない。とにかく、やってみろ、行動してみろ」と言い続けている。
いくら計画だけを立てても、実行されな ければ結果は出ない。


会社側からのアイデアではなく、社員が率先垂範で顧客のためにアイデアを出し続けているという。
顧客の満足度が高くなれば、口コミも増え、他の商品の情報 も伝わりやすく、売り上げアップに直結している。
社員のやる気は、必ず顧客に伝わってしまうもの。言葉を超えたやる気が顧客のリピートを増やし続けている のである。
着実に“イワブチファン”が増えつつある。
 

                                                            上妻英夫

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