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43軒目 各界著名人に永く愛されてる焼き豚

大久保一彦の“流行る”お店の仕組みづくり

各界著名人に永く愛されてる焼き豚
 
肉のたかさご(東京都)
shikumi43_01.jpg
 佃煮で有名な佃島。数多くの老舗があり、赴きがある。例えば、落語で登場する佃の渡しがあった場所の前にある創業170年の老舗天安(てんやす)にはなんとも言えない雰囲気がある。
 
 そんな佃島でひときわめだった店がある。店にはお客様があふれ、年末年始にはその商品を求めて1キロくらいの行列ができるという。何ゆえ、そんな商品を求めて人はやってくるのか?
 
shikumi43_02.jpg その行列の正体は焼き豚を求める人たちである。
その名物で焼き豚で有名な店が今回紹介する「肉のたかさご」だ。店自体は、昔ながらの対面販売の精肉店だが、遠方からお客様をよぶしかけがあり、焼き豚が重要な役割を果たしている。
アメリカでの最近のビジネス・キーワードにハイパーローカルという言葉がある。市場が成熟して、小商圏化がすすみ生まれた考え方だ。
ハイパーローカルへの対処法として、スタッフのサービスと楽しみかたの多様性への対応叫ばれている。
楽しみ方の多様性への対応とは日常使いと非日常でも使える店を意味する。一見矛盾するようなことだが、馴染みのスタッフのサービスを含めてこのような成り立ち必要性が高まっている。そして、このような関係作りが成功すると、遠方からお客様を引き込むことができる。
遠方からお客様を呼び込んでいる「肉のたかさご」はこの対応ができていると言っていいだろう。
 
私は利便性の要素のひとつである“近い”という要素に感じている。というのは、ものあまりの時代、消費者がわざわざ遠くの店まで出かけることはまれで、基本的に近場で消費するようになったからだ。
この場合、もっとも注目すべきは、即時消費性の部分である。即時消費性の代表は喉が渇いたときにある目の前にある販売機だが、暑い日に目の前にある販売機は、小売希望価格であるにも関わらず売れる。
 即時消費性を生かしてものを売るときに大切なことは瞬間を作ることだ。
「今、佃島にいるという瞬間」「今たかさごの前にいる瞬間」だ!
 
shikumi43_03.jpg 「肉のたかさご」の行列の秘密は焼き豚という商品特性と商品設計にある。
 まず、焼き豚の商品特性は、焼き豚は家庭で作るおかずではないが、外で買うお惣菜という認識が定着しており、即時消費性も高い。そして、焼き豚は主役でもない。ついで買いが見込める。これが名物となれば、瞬間を作ることができるのだ。
商品設計は、たかさごの藤田社長が戦略的に考えている。藤田社長の、「肉の製造工程に秘密があり、その行程は今まで誰にも見せたことがない」という言葉が物語る。
 
shikumi43_04.jpgなるほど、たかさごのホームページでは「厚切りの焼き豚を代々受け継ぐ濃厚なタレで食べる」と書いてある。
臭みのない肉、そして、柔らかさは濃厚なタレをまさに食べる「脳ポイント!」そのものである。
 そして、中華風の三枚肉の焼き豚が裏メニューとして機能している。
 
 
肉のたかさご
東京都中央区佃2-21-6
電話 03-3531-4529

 

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