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61軒目 京都名物”筍のフルコース”

大久保一彦の“流行る”お店の仕組みづくり

錦水亭
(京都府)
shikumi61_01.jpg 店舗を構えると商圏が決まる。飲食店に限らず、どんな店舗商売にも共通して言えることである。
 飲食店の商圏は大きく分けると、「足元商圏」、「週末商圏」、「ファンタジスタ商圏」の三つになる。日々の食欲などニーズ満たす場合、近場にある足元商圏の店を利用するだろう。移動距離にして5分。立地環境に恵まれ、競合がなければ手堅い商売になる。
 週末、月末、期末など日常生活にない時間を過ごす店が週末商圏である。目的によるが20~30分くらいまでの移動時間をかける。
 そして、わざわざその店のために時間を作り、予約する店。時に、休暇を取ってまで行く価値がある店がファンタジスタ商圏である。
 情報の大衆化の時代、ファンタジスタになるチャンスは限りなく増えたが、今日はその店を紹介しよう。
 
 京都の筍は非常においしいというイメージがある。
 私がこの仕事を初めて、関西を訪れると「関東の筍はおいしくない」と耳にした。
 最近では、東京でも筍を刺身で提供する店が増えたが、「関西の筍がそんなにおいしいものか」と最初は思っていた。しかし、京都で仕事をするようになり、その考えも変わっていった。
 
 今回紹介する長岡京の『錦水亭』を知ったのはお手伝いしていた店の料理長がこちらの出身だったからだ。最初は筍のフルコースと聞いてピンとこなかった。
 しかし、春に少しずつ筍料理を食べながら、京都の有名な産地の筍の話を聞いて、うなずけるようになった。
 京都の筍の産地では土を掘り返してふかふかにしてある。そして、栄養を与えている。
 言わば竹やぶではなく、畑だ。この手間のかかった柔らかく栄養のある畑で作るからこそ、和らかく、甘味のある筍ができる。
 ちなみに、今ではこの作り方は鹿児島などの産地でも採用され、全国からおいしい筍が出荷されている。
 
 その『錦水亭』、なかなか春の筍シーズンにタイミングが合わなかったが、ようやく訪問の機会に恵まれた。せっかくの機会、ファンタジスタの店づくりについて研究しようと思った。
 
shikumi61_02.jpg ファンタジスタになる条件のひとつが、わざわざ来る場所にあることだろう。ただ、なんらかのきっかけになるほうがいい。この『錦水亭』は長岡天満宮にある。
 そして、二つ目が趣ある施設であることだろう。『錦水亭』は床のような雰囲気があり、醍醐味がある。
 最後に、他にない料理であることだろう。
 『錦水亭』の他にない料理は、なんと言っても筍のフルコースだろう。
 前菜の田楽やあえ物から始まり、刺身、そして、いわばメインの煮物がくる。その後、醤油の香ばしい焼き筍、蒸し物、天ぷら、そして筍ご飯と吸い物と続く。京都の料理人が自慢するだけあって、食べごたえがある。
 
shikumi61_03.jpg 筍の旬は短い。その限られた時間を演出でき、非日常感を演出できる。
 各国名産品は室町時代や江戸時代に広まったようだが、旬の食材は初物信仰など日本人のご馳走感を感じるDNAに歴史によって組み込まれた。春の筍、夏の鮎、秋の松茸、冬の蟹。 日本料理の旬の食材は、まさに日本人の心をざわつかせるご馳走品である。
 
shikumi61_04.jpg 『錦水亭』の筍のフルコースはサービス料込で1万4千円だが、私にとって納得できるものだったし、まわりの女性客たちも過ぎゆく時間を過ごしていた。
 ファンタジスタは想いで売るというのは間違いでないようだ。
 
 
錦水亭
京都府長岡京市天神2-15-15
電話 075-951-5151
 
(→ホームページ)

 

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