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社長業

Vol.109 「PDCA・QCサークルの大効果」

作間信司の経営無形庵(けいえいむぎょうあん)

 前号108号のPDCAサイクルを回し続けることが、企業の業績発展に結びつくことは、今日の日本経済の発展とPDCAを続けている企業の成長が証明している。
 
 その時に、最初に、なにをP(プラン)のテーマにするのか?
 
 働いている社員のみんなに広く意見をもとめ、自分たちが日々で困っていることを現場目線で、そしてお客様に直接接する立場で、いっぱい書き出してもらい影響度の大きいものから順次解決していくしかない。
 
 社長室からは、なかなか気づかないことが、業績の決定的なテーマだったりする。
 
そのとき、本当の原因を突き止めるまで「なぜ?」を繰り返していくのはトヨタ方式と同じで、真因は現象面とはかなりはなれたところに問題が潜んでいたりする。
 
 その結果、業績面、仕事面以外に、思わぬ効果があるが、その点を指摘している人はなかなかいないし、過去にはあまり必要がなかった。
 
 その効果とは、社員間、部門間のコミュニケーションが格段に良くなることだ。
 
 どこの会社でも見られることだが、営業と生産は仲が良くないし、開発と生産も意見が合わない。物流と営業、ましてやコンピュータ担当の社内のシステム開発とは互いの主張がぶつかり合って、ことが進まない。不満だけが部門内にくすぶりつづける結果となる。
 
 TQM的な改善活動、PDCAを回すと、問題解決のために改善チームは他部門の社員と問題を共有し対話を繰り返し、接触回数がおのずと増えてくる。問題解決は他部署の協力なくてはできないし、仕事のやり方を一つを変えれば経理、生産管理、外注、営業、店舗、倉庫、様々な部門に影響が及ぶし、PCでつながっている限りシステムチームが変化を積極的に受け入れないと、いくら良いことを考えても実際には何も良くならない。
 
 だから、組織横断的にQCサークルをいくつも作って、組織の壁をこわし続けることが必要になってくる。地方企業は特に、自家用車で通勤するから、帰りに一緒になることもなく、仕事が終わればさっといなくなり、運転代行を頼んでまで酒を飲む人もいない。社内旅行も減ったし、マージャンや娯楽も社内ではやらなくなった。ましてや一人PC一台で連絡もメールになってしまった。
 
 結局は多く会っている人と仲良くなるし、親切になれる。社内の隣の人に親切にできない人が、お客様に親切にできるわけがない。
 
 「次工程はお客様」とはよく言ったものだ。しかし繰り返し言っても掛け声にしかならない。PDCAサイクルをQCサークルで回し続けて社員間で会話が多くなることが結果として会社の体質強化、経営革新に結びつく。

 

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