千葉県木更津市にできた「三井アウトレットパーク木更津」は、4月13日のオープン初日は朝から5,000人以上の列ができ、アウトレットでは全国一の売り上げを記録したが、ゴールデンウィーク中は、9,000台ある駐車場が満車となって2時間待ちになり、最寄りのJR袖ケ浦駅の利用が2万7,000人と前年の3倍に急増、東京湾アクアラインは夕方になると川崎方面に向かう車で連日大渋滞となった。
敷地面積21万5,000m2(東京ドーム4.5個分)という広大な場所に、衣類や雑貨など国内外のブランド品のアウトレット店148店と、地元の人気店を含む各地の人気グルメが集結した650席の大型フードコートなど、合計171店舗(店舗面積2万8,000m2)が入っているが、今後は店舗数を200~250店に増やし、日本最大となる計画もあるようだ。
ここの特徴は、フェラガモやコーチなどのブランド店、アディダス、ナイキなどのスポーツ用品店、駅ビル系、109系のファッション店などに加え、包丁の日本橋・木屋、ハサミで有名なドイツのゾーリンゲン、陶器のウエッジウッド、マイセン、フライパンなどを出しているティファール、無圧枕のテンピュール、オモチャのバンダイ、レゴ、ベビーカーのコンビなど、ファッション以外の店舗も充実していることだ。
アクアラインの木更津金田インターチェンジから約1kmなので、羽田空港から30分、東京駅、新宿、品川などの東京都心部や横浜・神奈川方面からも車で60分圏内で、三井不動産では来場者の75%がアクアライン利用と踏み、車で60分以内の850万人、90分以内の2,200万人を商圏人口とし、それに羽田空港からの外国人観光客などを含めて、年間500万人の来場者を予想、初年度の売り上げ目標は320億~340億円としているが、私は千葉県内からの利用者もかなり多いと考えている。
観光地のアウトレットの一つ、軽井沢プリンスショッピングプラザのゴールデンウィーク中の車のナンバーも、群馬、高崎、熊谷、長野ナンバーなどが多かったように、アウトレットは地元や近隣の人達にとっての、都内の新宿や池袋などのターミナル商業施設のような存在で、通常の終末などは、周辺の人達が多く訪れる。
木更津は、1999年~2003年の5年連続で東京圏における地価下落率1位となり、駅前にあった、そごう、ダイエーなどが撤退したため大型商業施設がなくなり、1985年は2,515店、従業者数12,949人だったのが、2007年は1,306店、9,704人と大幅に減少し、人材も商業もアクアラインの向こう側に流出していたが、アウトレット開業により、パート・アルバイトも含めて2,200~2,300人(千葉県居住者が約95%、木更津、君津などの地元が約60%)の雇用が新たに生まれているし、店舗では人が不足しているようなので、神奈川や東京に流出していた若い人も戻ってきそうだ。
国内アウトレットは現在39カ所あり、2000年以降10%前後成長して6,000億円市場となったが、2009年度以降は伸びが鈍化し、2011年度は前年度比3%増と「頭打ち」とも言われ始め、今年のオープンは木更津のみ、来年も春のチェルシージャパンの「酒々井プレミアム・アウトレット」しか計画されていない。
しかし、三井アウトレットパーク木更津は、最近はあまり光が当たっていなかった木更津に経済効果をもたらす存在になると考えている。
======== DATA =========
●三井アウトレットパーク木更津
http://www.31op.com/kisarazu/
所在地:千葉県木更津市中島398
tel:0438-38-6100
営業時間:物販10:00~20:00
飲食 11:00~21:00
フードコート10:30~21:00