4500年前に建設されたエジプト・カイロにあるギザの大ピラミッドの内部を自由に見学できる3Dバーチャルツアー「Inside the Great Pyramid」が始まっている。
これはハーバード大学の学術プロジェクト「Giza Project」の一環として提供され、史上初めて見学可能なピラミッド内部をすべてバーチャル探索できるものだ。
大ピラミッド建築の中で最も優れ、一番大きい「クフ王のピラミッド」をWebでサイトにアクセスして見られる3Dツアーは、ピラミッド入り口の前から始まり、画面に表示されている「NEXT」をクリックしてゆくと自動的に内部ツアーを回れるようになっているが、画面を操作して自分の好きな方向に行ったり、上下左右を見回したりなどもできるので、VRゴーグルなどを使えば実際にピラミッドの内部を探検している感覚が味わえる。
また、ハーバード大の「Giza Project」では、ギザの大ピラミッド以外も「Tomb Of Iasen(Iasenの墓)」「Tomb of Queen Meresankh III(メレスアンク3世の墓)」の3Dツアーも提供しており、同様に見学できる。
■3大ピラミッドの8K・360度VR映像
ギザの3大ピラミッドを8K・360度のVR映像として再現する「PYRAMID VR」もYouTubeで公開されている。
これはエジプトのピラミッド建造解明に挑む「ギザ3D調査(Giza 3D Survey)」と、世界各地の遺跡や自然環境の3Dスキャンとデジタルアーカイブ化を行う「World Scan Project」が制作したもので、チームが明らかにした謎に言及しつつ、3大ピラミッド全体をエジプト考古学者・河江肖剰氏がナレーションで紹介している。
ドローンよって撮影された膨大な画像データから作り上げられたピラミッドは、石の形状ひとつひとつまで本物と同じく再現され、VRゴーグルなどを使えば周囲の景色なども実際と同じように見ることができるため、空中に浮かんでピラミッドやギザを観光している不思議な感覚になる。
■スキャンピラミッド計画
2017年に、ミューオンラジオグラフィという透視技術を用いてピラミッドの内部構造を調査する国際プロジェクト「スキャンピラミッド計画」が行われ、大回廊の真上に未知の巨大な空間があることが発見された。
空間の長さは少なくとも30m、断面の大きさ(幅×高さ)は確定できていないが、大回廊の断面に匹敵すると推測されている。
この空間に繋がる通路は見つかっていないため中がどうなっているかは不明で、もちろん「ピラミッド内部の3Dツアー」でも行けないが、ピラミッドの謎がハイテク最新技術によって少しずつ解明されている。
また、ドローンやVRゴーグルなどハイテク最新技術により、我々一般人もリアルにピラミッドを観察できる時代になっている。
======== DATA =========
●Inside the Great Pyramid
https://giza.mused.org/en/guided/266/inside-the-great-pyramid
●世界初 Egypt Giza Pyramid 360VR – 8K
https://www.youtube.com/watch?v=pPYzgoHrSIY
●「ネイチャー」ダイジェスト「ピラミッドの巨大新空間を科学的に発見」
https://www.natureasia.com/ja-jp/ndigest/v15/n3/ピラミッドの巨大新空間を科学的に発見/91244
●「Discovery of a big void in Khufu’s Pyramid by observation of cosmic-ray muons」
https://www.nature.com/articles/nature24647