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- 社長のメシの種 4.0
- 第39回 東京モーターショー2019
東京ビッグサイトで開催(10/24〜11/4)された第46回東京モーターショーは、東京ビッグサイト西・南展示場とゆりかもめで一駅先の青海展示会という離れた2ヶ所での開催となった。
リーマン・ショック直後のモーターショーをキャンセルして以来、海外の主要メーカーはほどんど出展していない状況が今回も続いており、華やかな演出やコンパニオンなども影を潜め、休日の来場客は中高年と子ども連れが多かった。
その中で注目されたのはトヨタで、ブース内に市販車が一台も展示されておらず、未来の車社会のみの展示構成だった。
プレスカンファレンスで豊田章男社長は、「車の誕生により米国では1,500万頭の馬が車に置き換わったが競走馬は残った。馬は人と心を通わせることができ、馬を操る楽しさは車に勝るとも劣らない。車もAIの進化によって人と心を通わせ、未来の車は馬のような存在になる」と語ったが、現在、馬を自宅に所有している人は稀だ。
トヨタブースは「人」を中心とした未来の暮らしがテーマで、人間同士が繋がった(ヒューマンコネクティッド)、人のぬくもりや優しさを感じる社会を表現したという。
このコラムの第1回「トヨタe-Palette」(2018年1/15)に書いたように、昨年1月に米ラスベガスで開催された「CES」で豊田社長は、「トヨタはモビリティ・プラットフォームを提供する会社へと変革することを決意した」と表明したが、1年半後の今回の東京モーターショーは、その流れがこれから加速することが感じられた。
すぐではないが、スマホなどで呼ぶと自動運転車(その後は自動運転ドローン)が迎えに来て、行きたいところに連れて行ってくれる時代になれば、自家用車の所有は激減すると思われ、そのような時代に向かってどのような未来を描くのかを示した自動車メーカーはトヨタのみだった。
■子ども
トヨタと同じ青海展示場には、前回レジ待ちに長蛇の列ができた「トミカ」というミニカーの販売をしているタカラトミーや、小学生が自動車関連の職業体験ができる「Out of KidZania」などの子ども向けの展示ができており、親子連れで賑わっていた。
自動運転車内でどのようなことをするかのシミュレーションが体験できるデンソーや、次世代通信5Gの展示をしていたドコモなど、未来を伺わせる展示もいくつか見られたが、トヨタ以外は平凡な印象の東京モーターショーだったが、トヨタや子ども向け展示など新たな試みが功を奏したようで、来場者は久しぶりに100万人を越えたとされている。
(前回77万人、ピークの1991年200万人超え)
======== DATA =========
●東京モーターショー2019
●トヨタ・東京モーターショー
●社長のメシの種4.0 第1回 トヨタe-Palette
●Out of KidZania in TMS201