menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

税務・会計

第7回 会社の中を見える化すれば、経営がわかる

新・会計経営と実学

 多くの中小企業の社長が「決算書をどんなに見ても、会社の中の状況がよくわからない」とおっしゃいます。
損益計算書では、会社全体の利益はわかっても、組立部門や加工部門の利益までわかりません。
つまり、どんなに専門家が見ても、会社の中の各部門の活動状況までは、読み取ることが出来ないのです。

 その昔、有名な経営者が「決算書をどんなに見ても、社内のドラマが読めない。それで、部門別採算表を
つくってみたところ、部門ごとの活動状況が手にとるようにわかってきた。社長たる者、決算書の
中のドラマが読み取れるものをつくって経営していかないとだめだ!」とおっしゃいました。

 では、中小企業において、決算書の中のドラマが読めるものをどのように作っていけばいいのでしょうか。

 図表(①、②左)を見て下さい。このような現場の取引に基づいて、損益計算書を作ってみました。これに
よりますと、60万円の利益が出ています。しかし、お金は、150万円入ってきて、230万円が出ていき
ますから80万円足りません。この表をどんなに見ても、お金がないことを読み取ることは出来ないのです。
しかし、現実はこんな損益計算書を経理から見せられているのです。
そして、「なぜお金がないんだろう?」と疑問に思っている社長がたくさんおられるのです。

 それでは、どうすればお金がないことがわかるのでしょうか。そこで、右側の採算表(②右)につくり替えて
みます。すると、本当の利益の項目(キャッシュフロー)が、80万円のマイナスになっており、お金がない
ことがわかります。

つまり、この会社の最終利益の60万円は、在庫140万円をプラスすることにより出ていたのです。

 次に、社長がどうしても知りたいことは、お金不足の原因が加工部門にあるのか、組立部門にあるのかという
ことです。これを知るために、各部門ごとの採算表を作ってみることにしました。
加工部門(③右)は、本当の利益と最終の利益とが30万円で、利益が出ていてお金が残っている状態です。一方、
組立部門(③左)は、売上が90万円しかないのに、材料費を200万円も使っており、お金が110万円足りなく
なっています。

その理由としては、注文が3個しかないのに材料を10個買っていて、7個在庫になっているからです。
7個の買い過ぎによって、お金が110万円もなくなり、在庫を140万円も増加させているのです。その結果、
30万円の利益が出ているのに、110万円のお金が足りなくなっているのです。
これを見れば、会社にお金のない原因は、組立部門にあることがよくわかります。

 このように、会社の中を見える化していくことによって、経営改革への次の一手が打てるのです。
その昔、「決算書の中のドラマを読み取れ!」とおっしゃった有名な経営者の言葉は、まさにこのようなこと
だったと聞いております。

tam1107chart.jpg
 

第6回 経営者感覚がわからない社員には、夜泣きうどんの屋台を引かせてみる前のページ

第8回 社内を細分化すれば、責任者の意識と行動が変わる次のページ

関連記事

  1. 第35回 部門会議で日々の目標を追いかける

  2. 第30回 第4回経営会議の進め方

  3. 第24回 第1回経営会議の進め方

最新の経営コラム

  1. 第四十九話 ランチェスター法則で欲しい人材を確保する方法 その1 スタッフづくりはお客様づくり

  2. 第156話 中国の景気悪化と政策的な「合成の誤謬」

  3. 第231回「社長の心が病む時」とその対処法

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. マネジメント

    万物流転する世を生き抜く(28) ナポレオン、優柔不断な撤退の選択
  2. マネジメント

    第二十五話 現場から聞きだせ(スウィード)
  3. マネジメント

    逆転の発想(15) 戦いは避けるべきだが戦うなら最善の準備を(山本五十六)
  4. 教養

    2019年5月
  5. マネジメント

    万物流転する世を生き抜く(20) 人を制する者は天下を制す
keyboard_arrow_up