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社員教育・営業

第29号 外部招聘社長のための全員営業の活用法【問題提起編】

社長のための“全員営業”

 同業種でも異業種でも、社長として就任後に初めて判ることが存在する

 
 足かけ1年半に渡り連載してきた本コラムも、いよいよ最終稿の2回を残すのみです。
 
 第1号~10号は、全員営業の基本について。第11~20号は、全員営業の業種別について。そして、第21~30号は、全員営業の社長属性別についてお話してきました。
 
 最終稿の第29~30号では、外部招聘社長が全員営業を活用するポイントについてお話します。
 
 外部招聘社長の場合、業種や規模を考慮すれば、その舵取りのやり方は多岐にわたるため、その会社独自のものとなります。
 
 しかし、外部招聘という事情に焦点を当てれば、いくつかの共通する前提条件が存在します。
 
 例えば、
 
  ・就任時の会社業績は、厳しいか下がり傾向の場合が多い
  ・自らが、業界事情や現場業務に精通しているとは限らない
  ・社内の幹部および取引先に、直接の知人はまずいない
  ・社長としての立場は不安定で、長期政権は見込みづらい
  ・社内が協力的とは限らない(その逆の方が多い) …等々
 
 5種類の社長の属性(第21号ご参照)のうち、その存在基盤が最も脆弱なのが、外部招聘社長です。しかし、一方で、社内に余計なしがらみがないのが最大の特徴です。
 
 そもそもが、外部招聘社長を招くのは、会社内に閉塞感が存在しているため、斬新な方策や思い切った改革を求められている場合も多いため、必要な前例は踏襲しつつも、その社長ならではの打ち手を期待されているものです。
 
 さらに、同じ業績アップでも、事業オーナーや主要株主からは、立場的にも、5種類の社長のうちでは、最も短期間での業績アップが求められがちです。
 
 このような立場の外部招聘社長にとって、最大の懸念は、就任前に聞いていた情報や事実と全く異なることが、就任後に知らされることです。
 
 就任前に知ったことならば、自分なら出来るという確信のもとに仕事を受けたわけですから、まだ納得もできるでしょうが、就任してから全く異なることを聞かされたのでは、「ちょっと待ってくれよ」と一言いいたくなることでしょう。
 
 しかし、それを大っぴらにいったところで、自らの見極め不足を表明するにすぎません。
 
 なにより、どの業種・どの会社であっても、業績数字とその仕事を外から見ているだけでは、判らない事や見えないものが必ず存在しているものです。
 
 ゆえに、自分がまだ知らされていないであろう「耳に痛い情報や、良くない事実」の幾つかが、入社後に知らされるという前提のもとに、営業強化にとりくむ必要があります。
 
 しかし、これは実は、まだましな方であり、想定外の情報を知らされること以上に、まずい場合があります。
 
 それは、就任後にも、その想定外の情報が存在していることを知らされないままに、外部招聘社長としての責務を負わされることです。
 
 想定外の情報を発掘および把握し、なおかつ自らのキャリアによっては、会社と現場の基礎知識しかない中で経営の舵取りを行うには、何よりも、真実の情報を知ることこそが不可欠です。
 
 かといって、外部招聘社長には、全社的に自らの評判を高めることにより、下から情報を吸い上げるといった時間のかかる方策はとれません。ゆえに就任直後に最短期間で、「真実の会社情報と、生の現場情報」を教えてくれる人材を見つけることにこそ、自らが行う会社運営と営業組織強化の成否がかかってくるのです。
 
 次回は、外部招聘社長が、経営強化をマネジメントする上で不可欠な腹心を見出す際、およびその腹心を活用して全員営業を浸透させるヒントをお伝えします。
 
 ・今回のポイント(〆の一言)
 外部招聘社長の会社運営と営業強化は、腹心作りがすべてを決める

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