ベッキーが出演しているテレビCMでおなじみの
「無料通話」「無料メール」アプリの「LINE」(http://line.naver.jp/ja/)が人気を呼び、急速に広まっている。
「LINE」とは、ユーザー同士であれば、国内や海外、
iPhone、Android、フィーチャーフォン
(日本国内だけで進化した従来からの携帯電話、いわゆるガラパゴス携帯電話=ガラケー)
といった携帯電話の種類や、docomo、au、softbankの携帯電話の通信キャリアを問わず、
無料で(携帯電話は定額制で使用する場合多いがパケット代は必要)、
音声通話、メール(メッセージ、このアプリではトークと呼ぶ)送受信、チャット(テキストによるおしゃべり)、
スタンプや写真といったビジュアル交換などが楽しめる、
「メッセンジャー」と呼ばれる種類の携帯電話アプリの一つだ。
同アプリは、韓国のネット企業であるNHNの日本法人傘下の
NAVER Japan(ネイバージャパン)が企画・開発した日本発、東アジア発のサービスである。
2011年6月にサービスを公開して以来、日本国内のみならず、
台湾・香港・シンガポールなどアジア各国、中東、アフリカ、ヨーロッパ、南米など世界中に普及しつつある。
ユーザー数増加のスピードは速く、世界最速のサービス開始半年で1000万人を突破した。
1000万人を超えるまでには、Facebookが28カ月、twitterは26カ月、
mobage26カ月、mixi39カ月、GREE61カ月、それぞれかかっている。
既に、日本国内のユーザー登録者数は1000万人、全世界で2500万人を超えた。
(2012年3月27日 NHN Japan発表)
ユーザーは、世界中で、1週間に、約100万ダウンロード以上のペースで増加している。
つまり、毎週、札幌や仙台、福岡といった政令指定都市クラスのユーザー人口が加わっているのだ。
現在のユーザーの世界的分布は、日本国内が4割、アジアを中心とした海外が6割と言われる。
携帯電話用アプリに加えて、WindowsとMacのPC版やタブレットPC版された他、
今後は、Windows PhoneやBlackBerry版もリリースされ、
さらに、ドイツ語、トルコ語、ベトナム語など様々な言語へも対応して行く。
そして、2012年中に、ユーザー1億人を獲得目標としているという。
※「LINE」の使用・利用に際しては、NHNに、
ユーザーの携帯電話のすべての連絡先情報の読み取りを許可しなければなりません。
同アプリケーションのダウンロード、使用・利用による被害・損害、あらゆる不利益に関して、
筆者および日本経営合理化協会は一切責任を負いません。
個人情報の取り扱いに関する事項を中心に利用規約をよく読み、
同意できると判断される場合、すべて自己責任において使用してください。
◆「LINE」の無料通話技術と先駆者たち
「LINE」のような、無料通話のサービスは「IP電話」と呼ばれる。
「VoIP」(ボイップ)という「ICT」(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー=情報通信技術)
によって可能となったコミュニケーションだ。
「VoIP」とは、Voice over Internet Protocol の略で、今までの電話のように電話専用の回線を使わず、
インターネットの回線を使って電話の音声を送受信する技術である。
音声を符号化してパケットと呼ばれる圧縮したデータに変換した上で、インターネットを通じてリアルタイムに伝送される。
この技術によって、電話回線をわざわざ引かずとも通話ができるようになる。
また、通信コストが通話者双方の距離と関係なくなるため、通話料の劇的な削減が可能になり、
原理上、市内通話も国際電話も同じコストで実現できる。
メッセンジャーまたはチャットと呼ぶ電子メールよりも、すばやくテキストを送受信する機能もある。
同技術を活用した電話サービスのことを その先駆けが、
2003年にバルト三国の一つのエストニアで開発され、現在はマイクロソフトの傘下にある
「Skype」(スカイプ)だ。http://www.skype.com/intl/ja/home/
パソコンに同社のソフトをダウンロードし、オンライン状態の者同士の間では、国内外を問わず無料で通話ができる他、
一般の固定電話や携帯電話にかけることもできる。また、カメラを設置すればテレビ電話も可能だ。
上記の大半の機能は無料だが、一部の機能が有料で、世界に6億人いるユーザーの内、
1割弱の有料利用者が支払っている1人1万円弱の利用料によって主に全体の経費を購っている。
また、ネット広告、大口法人向けの特別サービス、ゲーム上のグッズ販売も収益源としている。
日本でも、開発当初から、パソコンをよく利用する人達の間で普及し始め、
2004年10月末より、ホリエモン(堀江貴文氏)が率いていたライブドアが
ソフトウェアを配布していた時期もあり、急速に広まった。
2010年にはパナソニックが薄型テレビ「VIERA」のシリーズで、
「Skype」によるテレビ電話機能を搭載した機種を発売するなど一般にも浸透してきた。
一方、2011年、Android向けの乗換案内をはじめとするあらゆるアプリの中でも最も人気が高かったのは、
アメリカから来た「Viber」(バイバー)だった。iPhone版に続いて配信された。
http://www.viber.com/
2011年3月11日の東日本大震災の発生時に、
ほとんどの固定電話も携帯電話も非常につながりにくくなった中で、
電話発信の規制やメール遅延がほとんどなかったことが、
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のTwitterやFacebookを通じて広まったためだ。
インストールしているユーザー同士は無料で通話とテキストメッセージの送受信が可能で、
24時間、国際電話がタダでできる(携帯電話自体のパケット代はかかる)。
「Viber」は「Skype」より3つの点で便利だ。
まず、「Skype」は事前にそのためだけのユーザー名などの登録が必要だ。
ところが、「Viber」はユーザー登録をしなくてもよい。
インストールすれば携帯電話の中の電話帳を読み込み、
既に携帯にインストールしている友人の名前の横には「Viber」のアイコンのある一覧が表示される。
つまり、相手の電話番号さえ知っていればすぐに通話が可能である。
また、「Skype」は携帯電話のアプリを起動していないと電話を受けることができなかったが、
「Viber」はアプリを停止していても通話を受けることができる。さらにアプリ を常に起動していなくても良いため、
スマホのウィークポイントであるバッテリーの消耗が少ない。
「Viber」の難点は、2012年4月現在、
まだ日本語版がなく英語の画面でしかやりとりできない点だ。
(当然、音声やテキストは日本語が使用可能)
また、テレビ電話機能はない。
私は、ユーザー数の多い欧米を中心とする海外とのやり取りにPCで「Skype」、
スマホでは「Skype」「Viber」を使っている他、
「LINE」と「カカオトーク」をダウンロードしている。
◆「LINE」の何がスゴイのか?大ブレイクの理由とは
「LINE」は、従来の「IP電話」にはなかった、さらなる魅力と価値を備えている。
それは、まさに時代生んだ「IP電話」「メッセンジャー」だと言えるからだ。
今や日本においても、インターネットに接続する端末としては、携帯電話がパソコンを超えた。
また、携帯電話市場において、スマホの数が従来からのガラケーを実質的に上回った。
つまり、インターネットにはスマホでアクセスすることが当たり前の時代が到来したのだ。
「LINE」とは、言わば、スマホ時代の、スマホの、スマホによる、スマホのための、
コミュニケーション・プラットフォームとなりつつあるのだ。
私自身、2011年12月に、スマホに「LINE」をダウンロードしてから、ほぼ毎日、使用している。
私の場合、無料通話で使用することもあるが、
特に、トーク(無料メール)とチャット、スタンプ交換、情報収集によく使っている。
実際に使ってみて、便利、おもしろいと感じる機能をご紹介しよう。
何より、「LINE」は、英語のみの「Viber」と比べて、日本語にも対応しているので、登録や操作がわかりやすく簡単だ。
「Skype」のように、アカウントの作成、相手とのアカウントの交換も、ログインも不要だ。
「LINE」ユーザー同士の受発信は、高速で、ほとんど遅延も無い。(時折、システム上のトラブルはあるが)
そして、「LINE」には特筆すべき点が5つある。
まず、一つ目は、楽しみながら簡単に友達を増やせる点だ。
「招待」「QRコード」「ID検索」といった方法に加えて、
GPS(位置情報機能)を使って、2台の携帯電話を近付けて振るだけで双方の情報が交換される
「ふるふる」という方法がおもしろく楽しい。
スマホをにぎったこぶし同士をガツンとぶつけて連絡先や写真を交換できる
アプリの「バンプ」に似て、遊び感覚で友達が増やせる。
そして、2つ目は、「トーク」という「メッセンジャー」機能の速さと使い勝手の良さだ。
今までの電子メールや従来の携帯メールの送受信や表示が、非常に遅くて煩わしく感じられるほどスピーディーで簡単である。
また、友達を2人から最大100人までグループ化して、グループ内でメッセージを容易にやりとりできる。
この機能は仕事にもプライベートにもとても便利で、プロジェクトごとに社内外の関係者をグループ化すれば、
電子メールや携帯メールによる同報メール、Facebookによるメッセージよりも、
すばやく楽しくスムーズに、報告・連絡・相談が行える。
メッセージのやり取りの日時などの履歴も残せる。
3つ目は、文章を日本語で入力すると、
英語・中国語・韓国語に翻訳して表示する機能もあり、外国人とのやりとりにも便利なことである。
4つ目が爆発的ヒットの大きな要因なのだが、
200種類以上もあるオリジナルのスタンプや顔文字をやり取りできることだ。
各々の表情豊かでおもしろく、スタンプや顔文字の交換が、若者や女性を中心に爆発的に人気を呼んでいる。
スタンプ以外にも、チャットに、絵文字・画像・位置情報の添付が容易にできる。
また、スタンプ入りのおもしろい絵柄に手書き風の文字のメッセージを入れてカードを作って送れる
「LINE CARD」(http://lineblog.naver.jp/archives/4125546.html)、
撮った写真を、様々なフレームや、飾り、手書き文字で加工して送ったり、
Facebook、twitter、mixiなど他のSNSにアップすることもできる
「LINE camera」(http://camera.line.naver.jp/ja)という専用アプリもある。
5つ目は、情報入手ツールとしてもすぐれている点だ。
自動プログラム「bot」(ボット)を利用した情報配信を行っている。
日々のニュース配信、指定した地域の天候情報を通知するお天気アラート、
指定した地域の放射能レベル(当日・前日)を自動的に通知する放射能情報、
今日の運勢や相性占いなども、好みと興味に合わせて設定すれば、毎日、無料で届く。
今後は、グルメ、イベント、映画の情報も配信される計画中だという。
「LINE」は、コミュニケーション・ツールとしてだけではなく、新たなメディアにもなりつつあるのだ。
「LINE」とは「絆」である。「LINE」を最大限に活用して、
楽しく長続きする公私にわたる「LINE」(人間関係)を構築したい。