「今回のリーマンショックのような事態が起きたとき、ヨソの会社は社長の給料(報酬)をどのように決めたのでしょうか。わが社は利益が大きく減ったので、私自身の報酬は1割カットしました。配当も出せませんでしたから、収入は大きく減りました。他の役員の月例報酬はそのまま維持しましたが、賞与はゼロにしました。同業者、あるいは同規模程度の社長報酬の水準を知りたいのですが、情報が少なく、よく分かりません。併せて納得できる役位別報酬の調査データがあれば教えて欲しいのですが」。
従業員100名ほどの精密部品メーカーのオーナー社長にお会いしたとき、役員報酬について、このような質問から話が始まりました。読者の皆さんの多くが同様の疑問をお持ちなのではないでしょうか。
賃金管理研究所は毎年、役員報酬の実態調査を実施しており、今年も6月2日に25回目の調査レポートを発表いたしました。調査の全容を紹介することはとてもできませんが、この調査レポートから先の質問の答えの糸口を探してみたいと思います。
この実態調査レポートによると
1.2009年度、非上場企業の48.7%が社長報酬を据置とし、35.3%が引き下げたとしています。そして引き下げた企業のほとんどが10%以上の減額と回答しました。
2.従業員100人未満企業の社長の月例報酬額は平均で151万円でした。ちなみに2008年度、同規模企業の社長の月例報酬は平均で159万円でしたから、結果として8万円、5%ほどのダウンとなっています。
3.今回、資本金1億円未満で社長賞与を支給した企業の割合は25.0%に過ぎません。2008年度、同規模企業で社長賞与を支給した企業の割合は32.6%だったことからも、リーマンショック以降、長引く景況感の悪化を反映しての数字と言えるでしょう。
今回は、社長・重役の報酬・賞与・年収額の実態調査レポートから、その一部を解説いたしました。読者の皆様のお役に立ちましたら幸いです。